高崎市・倉渕村・群馬町・箕郷町・新町の1市1村3町で構成する合併協議会は、18年1月23日の合併により誕生する新高崎市の新市建設計画実施計画の策定に着手しており、このほど同計画に盛り込むとされる事業案を明らかにした。それによると、選定事業数はハード事業55、ソフト42の計97事業で構成され、健康福祉をはじめ都市基盤、自治運営などの6施策に分類されている。主なものは高崎地区の事業として、高崎病院建て替えや(仮称)医療保健センター建設、経済大学新教室整備、中心市街地活性化広場公園整備、高崎駅東口ペデストリアンデッキ。箕郷地区は第1保育園改築、住民センター設置。群馬地区は、堤ケ岡第2小学校及び生涯学習センター建設事業、北部公園建設。倉渕では倉渕中体育館整備や大規模開発跡地の自然公園整備事業、小栗の里整備。新町地区では図書館や庁舎建設事業、福祉作業所建設、第1小学校施設整備事業などを盛り込んだ。(7面にハード事業項目)
同実施計画に示した事業は、新市の均衡ある発展や一体性の確保等を目指して、合併後3年間(18~20年度)に着手・実施する合併協議会で策定した新市建設計画に盛り込んだ事業等で、地域からの要望が強く、早期に着手及び完成することにより効果が高いほか、災害防止の視点から緊急性が高いものなどで構成されている。
事業の項目数は合計97事業となっており、内訳は健康福祉分野でソフト17、ハード4事業。教育文化ではソフト6、ハード18。環境安全はソフト6、ハード4。産業流通はソフト8、ハード2。都市基盤においてはソフト1、ハード25。自治運営はソフト4、ハードが2事業となる。
健康福祉では、高崎病院建て替えの推進や高崎地区へ整備する(仮称)医療保健センター建設事業、箕郷地区の箕郷第1保育園改築事業、新町の福祉作業所建設事業を位置づけた。高崎病院は現在、久米設計(東京都)により基本設計を作成しており、その後19年3月までに実施設計、同年4月から21年9月までの工期で本体工事に着手する予定。新病棟はSRC造地下1階地上7階建て、今後進めていく基本・実施設計の中で多少変更される場合もあるが、延べ床面積3万2828・49㎡で、一般病床445床、感染症病床6床の計451床で計画されている。医療保健センターは、基本構想の見直しを行っており、予定では、20年度までに基本・実施設計を作成、21・22年度で建設工事に着手し、保健センターや準夜診療所、地域医療センター、歯科医療センター、保健所の5つの機能を持つ施設として平成22年度の竣工を目指している。
教育文化の分野では、来年度から建設工事に着手する高崎地区の中央小校舎建設事業や倉渕中体育館整備、箕郷中体育館及びプール整備、群馬地区では(仮称)生涯学習センター建設及び児童数増加による堤ケ岡第2小建設事業、野球場整備、新町においては老朽化に伴う新たな図書館の建設のほか、第1小学校施設整備事業などを位置づけている。
北公民館は本町市営住宅と併設しており、既に42年が経過、北地区の住民からは移転の陳情などが出されていた。市では北部プール跡地への建設要望があったことを踏まえ、今年度までに測量などを実施している。また、北部プール跡地約2550㎡のうち約1160㎡が農林水産省の所有となっているため、今後は、農林水産省との協議や近隣地との境界問題等を解決し、18年度からの総合計画後期中頃の建設をメドに地質調査などを進めていくとしている。同じく高崎地区の市立中央小校舎建設は、敷地内へとRC造3~4階建て、延べ床面積は4700㎡の新校舎を建設する計画。工事は18年度から2か年で着手する。
群馬地区の生涯学習センターは同町役場の隣接地にある中央公民館(同町棟高地内)の老朽化及び狭隘化などを踏まえ、建設地等を検討するため研究委員会を立ち上げているなどし、建設場所を町立中央中学校跡地(足門1667-2)を利用する方針を同委員会で固め、提言書を提出している。また、群馬町立堤ケ岡小(棟高2227地内)の児童数増加を受けて計画される堤ケ岡第2小学校建設は、すでに新学校を棟高地区へ建設することを決めており、地権者との説明会などを行っている。建設地の面積は約2万㎡5000㎡、25人学級の施設を想定、18年度からの用地買収及び実施設計の着手を目指している。
新町地区の図書館建設事業は、現施設が昭和48年に福祉施設として建設され、その後改修工事を経て1階を図書館、2~3階を公民館として活用していることなどを踏まえ、今後のニーズに対応するため新たな施設を建設するもの。現在、基本構想及び基本設計を福島建築設計事務所(前橋市)で策定している。また、第1小学校は今後の補強工事や改築計画について検討するため耐震診断や耐力度調査を実施済み。同小学校は、昭和29年1月に全焼したのを受け、昭和30年に北・南校舎をそれぞれ建設。北校舎はRC造3階建て延べ床面積3279㎡、南校舎がRC3階建て延べ床面積1563㎡となっており、南校舎については、昭和46年に東側へRC2階建て483㎡を増築している。
環境安全については、倉渕地区の大規模開発跡地整備構想として自然公園整備事業を盛り込んだ。場所はゴルフ場跡地となる。
都市基盤分野では高前幹線街路事業をはじめ、市道の電線類地中化、各区画整理事業のほか、高崎駅東口ペデストリアンデッキ整備、18年度から第1期として建設に着手する山名市営住宅建て替え事業、城南雨水滞水池建設事業、新町市営住宅建て替え事業などを設定した。
高崎駅東口ペデストリアンデッキは、駅前マンションのタワー21~高崎駅~イーストセンタービルを回遊するデッキ計画で、7月1日に都市計画決定を告示。さらには、ヤマダ電機(前橋市日吉町)本社ビル建設予定地と隣接する駅前広場部分に鉄道と高速バスの拠点施設となるバスターミナルの設置も計画している。初期雨水を一時貯留する雨水滞水池は、城南水処理センター内(和田多中町)へ築造するもので、18年度から工事着手する。滞水池の規模は縦70m、横50m、平均の高さ7mで機械棟を含めた全高15mの1万5000t。RC構造の密閉式で、整備は国の補助を取り入れる予定で総事業費はおよそ30億円を試算している。3か年で工事を進め、平成20年度の完成を目指す。実施設計は日本上下水道設計(東京都)が担当している。
新町市営住宅は、新町の鉄南地区に位置する第10区の2~8団地の建て替え事業で、昭和29年~同34年に建設されたW造(準耐火構造)平屋建て44棟、67戸で構成した団地の老朽化などを踏まえ、区域内に点在している既存団地を集約し、良好な団地内環境を創出させる計画。昨年度までに構造や階数別にA~Cの3案(各案72戸)の基本計画を策定しており、今年度内に県住宅供給公社による実施設計で絞り込みを行う。18年度に7戸を解体、19年度からの建設工事を目指している。
自治運営部門の新町支所建て替え事業では、支所機能の確保が可能な執務スペース、会議室等を備えた支所庁舎を新築する計画だ。