国土交通省高崎河川国道事務所は渋川市から沼田市にかけて整備を計画している国道17号綾戸バイパスで、綾戸第1橋梁のA2橋台新設工事と渋川市道綾戸線の綾戸橋補強工事を一括して、6月までに一般競争入札を公告する。工事発注規模は3億~4億5000万円未満を想定している。
綾戸バイパスは、起点側の渋川市上白井から終点の沼田市岩本町までの2300m区間で新設を計画。渋川市内に整備する綾戸第1橋梁は、上白井側からのトンネルを抜けた上白井地内から利根川を渡り左岸側の赤城町棚下地内を結ぶ。橋長223・3m、幅員は車道部8m、歩道部2mの10m。上り線側に歩道を設置する。
上部工は起点側に整備する橋長132・4mの鋼単純上路式トラス橋と橋長90・9mのPC4径間連続中空床版橋で構成する。橋台2基は逆T式、4基の橋脚は張り出し式で整備する。A1が右岸側、トラス橋と中空床版橋の接続部に設置するP1を左岸に整備、終点側に向かってP2~P4を配置する。A2は次のトンネル入口付近に設ける。
棚下地内に設置するA2の基礎はφ1500㎜、長さ11mの場所打ち杭を9本打設して整備する。A1は上流側に長さ22m、下流側に長さ24mのφ5500㎜の大口径深礎杭を整備する。P1は沼田土建(沼田市)が施工した。P2は長さ10・5m、φ1500㎜の場所打ち杭を5本打設する。P3については長さ10・5m、φ1500㎜の場所打ち杭を6本、P4は長さ7・5m、φ1500㎜の場所打ち杭を6本施工し基礎を仕上げる。
同橋の設計はエイト日本技術開発(岡山県岡山市)がまとめた。
上白井地内にある綾戸橋は、1980年に架設された利根川を跨ぐ橋長約80・5m、標準部全幅員8・75mのPC3径間連続V脚ラーメン橋(斜材付きπ形ラーメン橋)。A2設置工事などを進める際に、工事用道路として使用することから補強工事を実施する。橋脚2基を対象に鋼板巻き立て工を約1200㎡施工する。補強設計はドーコン(北海道札幌市)が手掛けた。
バイパス区間の大型構造物は綾戸第1橋梁のほか、沼田市側に整備する利根川と国道17号およびJR上越線を一気に跨ぐ綾戸第2橋梁や2カ所のトンネル整備も予定している。綾戸第2橋梁は橋長約260mを想定。詳細設計は大日本コンサルタント(東京都千代田区)が22年度中の完了を目指している。
綾戸第1橋梁の南側には延長約570m、綾戸第1橋梁と綾戸第2橋梁に挟まれた位置には約550mのトンネルを計画する。トンネルは2カ所ともにNATM工法で整備する方針。