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衛星画像用いて漏水調査/期間・費用を大幅削減

2022/04/13 長野建設新聞

 長野市は本年度、衛星画像を使ったAI解析による漏水調査を実施する。事業費は解析結果に基づく現地詳細調査分を含め1763万円。

 この調査法は、衛星が搭載するLバンド帯のレーダーを地中に照射し、水道水とそれ以外の水は反射特性が異なることから、衛星画像データを独自のAI解析により漏水を識別する。2020年度に全国に先駆けて愛知県豊田市が実施し成果が確認できたことから、長野市も採用を決めた。

 市の水道事業給水区域の管路延長は2400㎞。現在の調査は熟練の作業員が時間と労力をかけて実施しており、年間240㎞(事業費1500万円)ずつ行っても10年間必要となる。

 新たな調査法では大幅な調査期間の短縮と費用の削減が図られ、漏水の発見数増加により、漏水量の削減と有収率の向上も期待される。

 本年度の事業費のうち衛星画像解析を用いた漏水調査費が660万円、現地の詳細調査費(170㎞)が1103万円。23年度は260㎞の詳細調査費として1780万円を見込む。

 なお、調査可能範囲は70㎞×50㎞と広範囲であり、水道事業の広域化を検討している上田長野地域ほぼ全域がこの範囲に収まるため、県企業局及び上田市上下水道局と共同で実施する方向で調整している。

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