JR東日本は、蕨交流変電所で昨年10月発生した火災事故の原因究明を行い、対策を発表した。要因の特定は焼損が大きく難しかったが、接地形計器用変圧器(GPT)の内部電線のショートが発生源と推定した。GPTと電気回路の接続構造を外力が加わらない仕様に今後変更する。保護装置25カ所も改修する。2023年度の復旧・対策完了を目指す。
変電施設が異常な電圧を検出した際は通常、保護装置が作動し事故箇所が切り離される。今回は電圧の異常値が保護装置が働かない幅に収まり、過剰な電流が止まらなかったため、火災に至ったと推定した。
銅板によって固定されたGPTの接続構造がショートを招いたとみる。今後の接続は銅板ではなく、電線などを用いた仕様に変え、外力が加わるのを避ける。同様な接続構造は火災が起きた1カ所だけだった。
保護装置は、異常な電圧が継続すれば動作する仕組みに改修する。23年度までに25カ所で実施する。
さらに蕨交流変電所から再び電力供給できなくなる想定の対策も打つ。別系統から電力供給する送電線の新設を検討する。