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山梨県中央市

リニアを見据え街づくり 望月智・中央市長インタビュー

2022/04/27 山梨建設新聞

 新たな中央市の舵取り役に選ばれた望月智市長。副市長時代と変わらぬ物腰の柔らかさが魅力のひとつだ。まだ事務職風?の口調が抜けず、周囲から市長らしくないと指摘されることも。重責を担い、自らを鼓舞しながら市政を牽引する望月市長に、今後の街づくりなどについて聞いた。

--市長選の感想は

 これまで選挙の経験がなかったため、どのような取り組みをしたらいいか分からなかった。そうした中、後援会長を始めとする経験豊富な多くの方々に助けて頂いた。とても感謝している。


--副市長から市長へ

 長年、行政の事務屋としてやってきた。だから選挙活動中も「~だと思います」というような口調になっていた。周りからは「しゃべり方が事務屋さん」と何度も指摘されたが、なかなか慣れない。副市長とは違い、市長は自らで判断・決断する政治家。そういう気持ちを高ぶらせるようにしている。


--リニア新幹線を見据えた街づくりについて

 県がリニア駅周辺で、医療機器関連産業を中心とした企業立地を行うという話がある。市としては、それと連携した街づくりが求められる。山梨大付属病院の付近に、そうした企業を誘致できれば交流人口、ひいては定住人口も増えるだろう。周辺の宅地開発も必要になる。市独自でできることではないため、国・県・市が1つのラインで連携していくことが重要だ。


--新たな市民体育館の計画は

 もう基本設計は仕上がっているため、2023年度に実施設計、24年度の着工・完成を目指している。前市長が木造が好ましいとしていたがコスト的に若干高い。また今、資材が高騰しており、実現可能かどうかも分からない。身延町では校舎建設に身延山久遠寺の木を活用すると聞いた。完成予想パースを見たが、ぬくもりがあって、とてもいい。どのような造りにするか、あらためて検討したい。


--道の駅など観光スポットの改修は

 これまでに担当課が、「道の駅とよとみ」「シルクふれんどりぃ」などの現況調査を実施した。いずれ改修は必要だが、どのような整備方針とするかは、今後担当課と検討していきたい。まだ整備スケジュールなどは未定だ。


--建設業界に感じることは

 働き方改革の一環で、土曜日を休みにする現場もあると聞いている。企業として休みを増やすことは、苦慮する部分だとは思う。県は休みを取ることを必須とする取り組みをしているようだし、市としても検討したい。それには十分な工期を設定するなどの措置が必要になるだろう。働きやすい環境がいい仕事につながると思っている。これからも国土強靱化などで建設業の方々には協力して頂きたい。


略歴

 望月智(もちづき・さとし)。1980年4月、旧田富町役場に入職。合併後は管財課長、政策秘書課長、副市長などを歴任。3月の市長選で初当選を果たした。趣味は日曜大工で、神棚やウッドデッキを造ったほか、浴室のドアの交換など家の修繕もしている。1961年6月生まれ。60歳。

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