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新潟県新潟市

橋梁耐震化に基本方針55橋で優先対策

2022/04/29 新潟建設新聞

 新潟市は、市が管理する橋梁の耐震化へ基本方針をまとめた。複数径間で橋長14・5m以上などの55橋で優先的に耐震補強を行う。当面の優先順位は緊急輸送道路指定の有無など橋梁の重要度や交通量、予算状況を考慮しつつ陸上部から対策を進める。また橋梁耐震化の優先度が高く、修繕が必要な橋梁については、同時の対策実施を検討し、除雪費に余裕があった場合には予算の振り替えも視野に入れ、耐震化を推進する。

 対策内容は、桁かかり長、落橋防止構造、横変位拘束構造などの落橋防止システムおよび支承対策、橋脚対策とし、フーチングを含む基礎対策は優先しない。支承は既設の支承が健全であれば、安価な外付けの水平力分担構造の設置を基本とし、損傷している場合は取り替えを行う。また橋脚はRC巻き立てを基本とする。パイルベント橋脚の11橋については、当面は橋脚補強を行わず、落橋防止装置の設置を基本に、「地震による損傷が致命的とならない性能」(耐震性能3)を確保。落橋防止装置は橋脚に作用しない桁連結構造に置き換える。

 対象橋梁のうち、緊急輸送道路上の橋梁は2橋を除き耐震性能3の対策が完了しており、今後は、耐震性能を上げて「地震による損傷が限定的で速やかに機能回復できる性能」(耐震性能2)の確保に向けて取り組む。緊急輸送路以外の跨線橋では、第三者被害が大きい跨線部のみ別計画とし、鉄道管理者との協議が整った橋梁から取り組む。

 優先橋梁は、複数径間で橋長14・5m以上の橋梁のうち、1996年度以前の道路示方書で設計された橋梁69橋から補強済み8橋と補修しても延命化が期待できない橋梁および架け替えの検討が必要な6橋を除いて選定。55橋の耐震補強対策にかかる概算工事費には341億円。パイルベント橋脚の対応方針を考慮すると258億円と試算される。

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