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深山ダム管理棟を改築、23~24年度に演算装置や鉄塔設置、総事業費9億円

2022/05/10 栃木建設新聞

 県は深山ダム管理棟(那須塩原市百村)を改築する。2022年度から3カ年で改築や諸量演算装置更新などの整備を進める計画。22~23年度に新築工事、23~24年度に演算装置の製作・設置や通信鉄塔設置工事を実施。25年度に新管理棟を供用し、現管理棟を解体する予定。新管理棟はRC造3階建て延べ床699・13平方m。新築工事は建築、電気設備、機械設備の条件付き一般競争が8月頃までに公告される見通し。総事業費は約9億1700万円(改築関係約4億9700万円、演算装置等設備4億2000万円)を見込んでいる。

 改築は1973年3月に完成した現管理棟が老朽化していることに加え、耐震基準を満たしていないために実施。農業用水のほか、上水道や発電にも水が利用されるダム機能を確保する。

 新管理棟は現管理棟(RC造3階建て延べ床689平方m)の北側に2カ年をかけて建設。現在と同様の機能を引き継ぎ1階に車庫や予備発電室、機械室、2階に事務室、宿直室、浴室、書庫などを配置。3階は放流設備の制御や水量を把握する諸量演算装置などの操作室、会議室とする計画。

 管理棟などの改築工事費は約4億6600万円、設計費は約3100万円を想定。管理棟改築工事の入札は監理課から公告され、3工種とも総合評価を適用。管理棟の上部にある通信鉄塔は23年度以降に別の位置に設置する予定。

 管理棟の実施設計は21年度にイケダ設計事務所(那須塩原市)が担当。22年度は演算装置や通信鉄塔の設計を推進。那須農業振興事務所が4月28日に入札を執行し、演算装置の詳細設計を三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)、鉄塔詳細設計を建設技術研究所(東京都中央区)が落札した。

 深山ダムは扇状地で地下水位が深く、水不足だった那須野ヶ原に農業用水を供給するため那珂川に設置された堤高75・5m、堤頂長333・8m、堤体積196万7000立方mの表面アスファルト遮水壁型ロックフィルダム。満水面積97万平方m、有効貯水量2090万立方m。

 68年12月に着工し、84億円と延べ42万人の労力を投入して74年3月に完成した。かんがい用水の受益面積は約4300ha。県企業局による板室発電所での水路式発電や大田原市、那須塩原市への水道用水の水源に利用されているほか、民間の電源開発による沼原発電所での揚水式発電が行われている。

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