県建築住宅課は26日、姉歯建築設計事務所が関与した建築物の耐震強度偽造問題で、渋川市辰巳町地内の「エクセルイン渋川」(RC造11階、延べ床面積2011・88㎡、建築確認日=平成15年4月22日)の構造計算に改ざんがあったと発表した。
県内で改ざんが発覚したのは今回が初めてだが、同事務所が関与した県内にある建築物はこのほかにもあるとされており、このうちの一つは伊勢崎市にある「伊勢崎サンホテル」。行政と調査確認を進めており、安全性が確認されるまでの間、営業を自粛し休業としている。
県では、専門家を加えて同事務所が関与した建築物の構造計算書等を取り寄せ、調査を実施。構造計算書及び構造図では明らかな改ざんの形跡は見当たらなかったものの、偽造は大きな社会問題になっていることから構造計算プログラムによる再計算を行った。
この結果、建築確認時の構造計算書の数値と再計算の数値に不一致があり、改ざんされていたことが判明、大規模地震等の際に耐震性に問題があることがわかった。このため、県は27日にホテル側へ営業休止を要請、同ホテルの経営者で工事を担当した川村建設(埼玉県さいたま市)は、同日から休業することとした。
県では、耐震補強方法などについて専門家を交えて検証し、この問題について迅速に対応していくとしている。