県は１０日、小山市粟宮新都心第１土地区画整理事業（粟宮、千駄塚）の組合設立認可を公告した。地区北東～南西間を縦貫する都市計画道路３・４・７号小山野木線を生かし区画道路、特殊道路、公園２カ所、地下式調整池１カ所を築造。粟宮新都心基本計画に基づき、都市と周辺環境が調和した緑豊かでゆとりある新市街地環境を形成する。２０２７年度の概成を目指し、総事業費３６億９４００万円を見込んでいる。

　施行地区はＪＲ小山駅から南西４・５㎞、間々田駅から北東３㎞に位置する面積約２０ｈａ。地区の西側はＪＲ宇都宮線、南側は既設水路、東側は小山野木線と既設水路、北側は既設道路に接する。市は広域交通の要衝にあり、県南地域を牽引する都市づくりが目標。

　市街化区域にもかかわらず農地や山林が多く存在。これまで効果的な都市的土地利用がなされてこなかった。主な要因は幅員狭小の道路が多く、市街地開発を阻んできた。計画的な都市基盤整備には、区画整理手法が最も有効と判断。事業計画案がまとまった。

　幹線街路は小山野木線（延長６５３・８ｍ、幅員１６ｍ）に位置付け、沿道は地域住民の生活利便施設や雇用の場を確保。幹線街路に接続する区画道路の幅員は８ｍ、その他は６ｍ、一部を４ｍ。街区公園は中央部に１カ所、南西部の調整池上部空間に１カ所配置。

　雨水排水は側溝で集水し、道路内管渠で調整池へ導く。地下式構造の調整池で一時貯留した後、普通河川宮戸川へ放流する。地区全体が第１種住居地域（建ぺい率６０％、容積率２００％）に指定済み。小山野木線と区画道路の取り付け部は交差点を改良する。

　区画道路は幅員８ｍを１７６７ｍ、６ｍを３１４９ｍ、４ｍを７８ｍ、特殊道路は幅員４ｍを９５ｍ築造。いずれもアスファルト舗装し、函渠型側溝が付く。１号公園は３５８０平方ｍ、２号公園は８７５１平方ｍ。上下水道は全域に供給し、消火栓を適宜配置する。

　主な公共施設整備費は地下式調整池（８７５１平方ｍ）１０億３７００万円、区画道路（４９９４ｍ）５億９２００万円、排水路（１３３８ｍ）３億７００万円、建物移転一式８３００万円、特殊道路（９５ｍ）９００万円、公園（１万２３３２平方ｍ）４００万円。

　調査設計一式６億９０００万円（埋蔵文化財調査費を含む）、工事雑費一式２億４６００万円、整地（１４万２１５８平方ｍ）２億２６００万円、電柱移設（４３本）２２００万円、下水道既設管移設撤去（１０１ｍ）２００万円。

　総工費は３４億５７００万円と試算。年度別の工事費は２２年度１１億４２００万円、２３年度１２億５２００万円、２４年度６億３６００万円、２５年度３億４２００万円、２６年度６２００万円、２７年度２３００万円。保留地処分金は１７億４５００万円。

　県事業の小山野木線は主要地方道小山環状線の一部を構成し、一般県道境間々田線の振り替え区間に当たる。小山市神鳥谷～野木町野渡間の地域間連絡道路。国道４号からＪＲ宇都宮線を挟んだ東側にルートを新設し、災害時は４号の代替機能を果たす。