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東日本高速道路(株)新潟支社

本年度の磐越道4車線化事業は工事用道路2件発注

2022/05/14 新潟建設新聞

 東日本高速道路(NEXCO)新潟支社は、磐越自動車道の4車線化等整備事業で本年度に西会津IC~津川IC間の工事用道路整備工事2件を発注する。2023年度以降に発注を予定するトンネル、橋梁工事のアクセス路となるもの。三川IC~安田IC間ではトンネル掘削、橋梁下部工等が工事着手する。10日にはウェブ形式で工事説明会が開かれ、事業概要や今後の見通しなどを示した。

 磐越自動車道の4車線化事業は19年に高速道路における安全安心基本計画に基づき、全国約880㎞の4車線化優先整備区間の一部として選定。新潟支社管内では19年に三川IC~安田IC間の新潟県側となる安田工区5・1㎞、20年には西会津IC~津川IC間の野沢工区8・8㎞、21年には三川IC~安田IC間の福島県側である三川工区3・2㎞が事業許可された。未事業化区間は津川IC~三川IC間の5・1㎞と西会津IC~津川IC間の8・7㎞が残る。

 西会津IC~津川IC間の野沢工区は、▽黒森山▽龍ヶ嶽▽長坂―のトンネル3本および橋梁4橋が計画され、トンネルとトンネルの間を橋梁で結ぶ。これまでに測量、土質調査が完了し、トンネルおよび橋梁設計を進めている。トンネル3本のうち2本が2㎞を超え、最も長い龍ヶ嶽トンネルの延長は約3500m。避難坑を拡幅掘削しトンネルを構築する。工事発注単位は検討中だが、本年度に現場までのアクセス路として「安座川工事用仮橋設置工事」と「鬼光頭川工事用仮橋設置工事」の2件を先行して発注し、23年度から橋梁上下部工、トンネル本体工事の発注を進める。

 最も早く事業許可を受けた三川IC~安田IC間の安田工区では、宝珠山および小松のトンネル2本と草水高架橋、小松上の橋の橋梁2橋を整備。昨年9月にトンネル掘削および橋梁下部工へ大林組と契約を締結し、本年度からの工事着手へ準備を進めている。また現在、草水高架橋(PC上部工)工事が入札手続き中。23年度からはトンネルの舗装や電気、通信など施設工事も順次発注を予定する。設計は、トンネルを千代田コンサルタント(本社・東京都)、橋梁を建設技術研究所(本社・東京都)が担当した。

 安田工区に隣接する三川工区は▽熊渡▽長谷▽西山―のトンネル3本と橋梁1橋の整備を計画。現在、測量、土質調査を完了し、熊渡トンネルと長谷トンネル部分で確認された長谷地区地すべり地帯の施工計画を検討中。23年度に本線のトンネル工事を発注する。

 10日の説明会で、今川俊二副支社長は「高速道路の新設工事が先細りするなか、4車線化工事の現場を労働環境、生産性の向上、技術者の育成・担い手確保に結び付け、建設業界の魅力ある職場づくりに活用していきたい」とした。

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