日光市は、佐下部浄水場を統合する瀬尾浄水場について中央制御盤に続き2023年度には膜ろ過設備の更新を計画した。鬼怒川浄水場では沈殿池やろ過池など2系統の統合を含め、23年度に更新設計に着手する見通し。市単独公共下水道の耐震調査診断は、22年度に中宮祠水処理センター、23年度には湯元浄化センターを計画していることが分かった。粉川昭一市長が本紙のインタビューに答えた。上下水道施設の長寿命化対策で、水道施設は施設更新計画、下水道ではストックマネジメント計画に位置づけ具体化を図っていく。(2面に粉川市長インタビュー)
瀬尾浄水場は1951年度に竣工した。当初は地下水を利用し塩素滅菌で浄水していたが、水需要の拡大に伴い1級河川大谷川の表流水を取り入れるため、2000年度に膜ろ過方式を導入した。施設能力は日量2万6500立方mで、佐下部浄水場を統合し日量3万立方mに増強する。
瀬尾浄水場の施設や設備更新は老朽化に加え、佐下部浄水場の統合に伴うもの。中央制御盤更新は21~23年度までの継続。事業費は6億7100万円。工事は特命随契でメタウォーターが施工中。23年度以降は膜ろ過設備の更新を計画している。
鬼怒川浄水場は、1級河川鬼怒川の表流水を利用、急速ろ過方式により浄水する。計画取水量が日量3万2400立方m、計画供給量は日量3万1120立方m。施設は1970年度に建設され、水需要の増加に伴い当初の2系統から3系統に増強した。
整備は竣工時の2系統の統合の検討を含め、老朽化している沈殿池と重力式急速ろ過池の更新を実施する。早ければ23年度に設計を委託、24年度の工事に備えていく。
下水道は中宮祠水処理センターの耐震調査診断、管路点検調査に基づく中宮祠管渠改築詳細設計を委託する。鬼怒川上流流域関連公共下水道の藤原処理区では、基本方針に基づく管路点検調査を行い、管路の老朽化診断と評価を実施する。
23年度以降は湯元水処理センターの耐震調査診断を委託。中宮祠と湯元の水処理センターは、耐震調査診断結果に基づき、補修や改修の必要性を判断。更新計画を策定して概算事業費を算出。状態監視と時間計画保全による対策を行い、後年度の整備に備えていく。
市が20年度末に策定した下水道事業経営戦略によると、中宮祠と湯元水処理センターは供用開始から50年以上が経過。長寿命化や耐震化の必要性は高く、管路の長寿命化と併せ25年度から約4億円の事業費を見込んでいる。