県峡東建設事務所(矢野昌所長)は、本年度の主要事業をまとめた。道路事業では、本年度事業着手した国道137号・新たな御坂トンネルの設計などに着手。このほか国道411号の一之瀬高橋2期バイパス・裂石拡幅・勝沼拡幅を主な事業に挙げた。河川砂防事業では、平等川の改修や日川砂防の改築などの継続事業を中心に計画。都市計画事業は、都市計画道路・山梨市駅南線(1期)の整備を進める。
新たな御坂トンネルについては、長崎幸太郎知事の国への要望活動もあり、本年度事業化。総事業費372億円を見込む大型事業がスタートした。本年度は、すでに入札告示済みの抗口設計および地質調査がメインになる。トンネル延長は約4・6㎞を見込むが、構造や道路幅員などは、今回の業務の中であらためて検討するという。
国道411号では、昨年度に続き、一之瀬高橋2期バイパス(甲州市一之瀬高橋)、裂石道路拡幅(同市裂石)、勝沼拡幅(同市勝沼町山ほか)を推進。一之瀬高橋では、現在進めている工事用道路の整備が秋には終わる見通しで、2号トンネル(L660m、設計・建設技術研究所)建設地付近へのアクセスが可能になる。ただトンネル本体工の発注時期はまだ未定という。
裂石道路拡幅は建物などの補償物件が多い場所のため、本年度も用地買収が中心になる見込み。勝沼拡幅は「すでにまとまった用地を取得している場所もある。本年度も積極的に工事発注していきたい」(同事務所担当)としている。
橋梁の長寿命化については本年度、亀甲橋(山梨市)の補修に着手。3径間のアーチ橋で橋長103m、幅員5・5m。点検で老朽化が指摘された部材の補修を行う予定だ。
河川砂防事業では、平等川河川改修(笛吹市春日居町鎮目)、日川砂防改築(甲州市塩山牛奥)、若林急傾斜地崩落対策(山梨市三富下釜口)などを進める。
平等川の改修は、かねてから実施している護岸工を進める。現場は柳瀬橋下流。昨年度は風間興業、友愛工業が2工区計約226mを受注したが、本年度は120m程度になる見込み。
日川砂防の改築は昨年度、高野建設がスリット化や袖部の腹付けなどを受注。本年度も昨年度と同規模の工事発注を予定している。若林の崩落対策については、ことし3月に「区間C」のよう壁工を発注。工期は来年1月で、広瀬土木が担当した。本年度はその終わりに合わせ、次の工事を発注する予定。よう壁に加え法面も整備する内容で、工事全体の規模としては昨年度と同等になる見通しだ。
都市計画事業では、山梨市駅南線(1期)の整備を推進。本年度は公告済みの電線共同溝工事などを実施し、その進捗を見ながら舗装の発注を検討する。来年度からは現道部分の改良に着手したい考え。