記事

事業者
国土交通省

【河川機械設備】大更新時代への対応で「総合信頼性の向上」提案

2022/05/31 本社配信

 国土交通省の社会資本整備審議会・河川機械設備小委員会は、30日に開いた会合で答申の骨子案を協議した。施設の老朽化に伴う大更新時代の到来や機械技術者・操作員の担い手不足、気候変動に伴う水害の激甚化・頻発化などの課題に対する、今後の河川ポンプ、河川ゲート等の河川機械設備の在り方を7月に提言する予定。対策の基本的な考え方として「総合信頼性の向上」を打ち出す。

 答申は「システム全体の信頼性の確保」「担い手不足に対応した自動化・遠隔化・集中管理」「技術力の維持向上」を3つの柱とする。信頼性確保の関係では設計思想の転換を提案し、総合信頼性の概念導入や機械設備のマスプロダクツ化、気候変動への対応を踏まえた手戻りのない設計に言及。量産型の車両用エンジンを転用したマスプロダクツ型河川排水ポンプに関しては、経済性が大きく優れている場合は「中小規模の排水機場に第一優先的に検討すべき」と強調している。

 総合信頼性については、予防保全と事後保全に加え、新たな保全手法として「交換保全」と「N+1保全(1台追加整備)」からなる「冗長化保全」を位置付けることを推奨する。

 また、老朽化が進行する設備の故障リスクに対応するため、診断技術者による診断の実施とメンテナンスサイクルの確立が必要と指摘。定期的な診断のための技術者・体制の確保、機械設備の状態把握の効率化を目的としたBIM/CIMの導入・活用を求める。

 企業の技術力の維持向上では、企業経営の観点からも地域にとって機械設備の新設・更新事業の推進が必要で、新しい技術の開発・導入促進と企業からの技術提案に積極的に対応する姿勢が重要としている。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら