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粟宮新都心第1地区が始動、業務代行者に大日本土木、20ha開発、ロボット企業進出へ

2022/06/02 栃木建設新聞

 小山市粟宮新都心第1土地区画整理組合が設立された。これによりJR小山駅と間々田駅のほぼ中間に位置する面積約20ha(粟宮、千駄塚)で組合施行の区画整理事業が本格的に始動する。業務代行者は大日本土木に決定。今後の調査設計は玉野総合コンサルタントに委託する予定。2027年度の概成を目指し、総事業費36億9400万円を見込んでいる。

 組合員は地権者ら約100人。平均減歩率は53・09%、地権者の約9割が事業化に同意している。設立総会では理事7人、監事3人の役員を選任。理事長は後日、理事の互選で選出する。事務所は粟宮に置かれ、一連の業務を大日本土木が担当する。

 初年度は詳細設計と並行し、埋蔵文化財包蔵地の試掘調査を計画している。保留地進出企業は、市内のロボット制御システム設計開発のベンチャー企業が内定した。地区北東~南西間を縦貫する県の都市計画道路3・4・7号小山野木線東側の約3haを取得する。

 施行地区はJR小山駅から南西4・5㎞、間々田駅から北東3㎞に位置。小山野木線を生かし区画道路、特殊道路、公園2カ所、地下式調整池1カ所を築造。粟宮新都心基本計画に基づき、都市と周辺環境が調和した緑豊かでゆとりある新市街地環境を形成する。

 地区の西側はJR宇都宮線、南側は既設水路、東側は小山野木線と既設水路、北側は既設道路に接する。市街化区域ながら農地44・2%、山林35・7%が存在し、全体の80%近くを占める。幅員4m未満の道路が多く、市街地開発を阻害してきた。

 計画的な都市基盤整備には、区画整理手法が最も有効と判断。曲折を経て事業計画を策定した。現状の居住は10世帯にとどまる。施行後の人口密度は1ha当たり54人、計画人口1070に設定した。大部分は上下水道が未整備で、小山野木線沿道のみ布設済み。

 小山野木線(延長653・8m、幅員16m)を幹線街路に位置付け、沿道に地域住民の生活利便施設や雇用の場を確保。幹線街路に接続する区画道路の幅員は8m、その他は6m、一部を4m。街区公園は中央部に1カ所、南西部の調整池上部空間に1カ所配置。

 雨水排水は側溝で集水し、道路内管渠で調整池へ導く。地下式構造の調整池で一時貯留した後、普通河川宮戸川へ放流する。地区全体が第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に指定済み。小山野木線と区画道路の取り付け部は交差点を改良する。

 主な公共施設整備費は地下式調整池(8751平方m)10億3700万円、区画道路(4994m)5億9200万円、排水路(1338m)3億700万円、建物移転一式8300万円、特殊道路(95m)900万円、公園(1万2332平方m)400万円。

 調査設計一式6億9000万円(埋蔵文化財調査費を含む)、工事雑費一式2億4600万円、整地(14万2158平方m)2億2600万円、電柱移設(43本)2200万円、下水道既設管移設撤去(101m)200万円。

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