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茨城県日立市

23年度着工準備進む/さくらスタジアム建設/スタンド4100㎡規模

2022/06/03 日本工業経済新聞(茨城版)

 日立市は市民運動公園野球場を改築し、新たに「(仮称)日立さくらスタジアム」の建設に向けて準備を進める。スタンド建築面積4100㎡規模、グラウンド面積1万3500㎡(両翼100m、中堅122m)、収容人数1万5000席以上を計画。2023年度の着工に向けて、本年度には実施設計を㈱INA新建築研究所(文京区)が基本設計に引き続いて担当して、詳細をまとめる。2カ年(23~24年度)で改築を実施し、順調なら25年度に供用を開始する。

 既存施設は1972年竣工。両翼94m、中堅120mの人工芝で構成する。幾度となく改修や増築、改築などを行ってきたが、施設の老朽化に加えて飛球問題、広域避難場所としての機能維持などの課題を抱えていることから、大規模改修に踏み切る。

 建設地が中成沢町4―19―1。敷地面積2万8302㎡(第一種中高層住居専用地域と第一種住居地域)を有する。市民運動公園内には、陸上競技場やテニスコート、グランドゴルフ場のほか、総合体育館「池の川さくらアリーナ」が立地しており、周辺施設と連携した施設整備を進める。

 整備に向けた提案では、コストを抑える取り組みとして▽反復活用のできる単純な架構を採用し、ユニット化を図ることで現場作業を削減▽メインスタンド建設時の発生土を内野スタンド下の盛土に活用して残土処理量を低減▽スタンド屋根を鉄骨+シート防水屋根+天井レスで軽量化し、構造をスリム化―としている。

 スタジアムは、公認野球場やプロ野球規格を確保した仕様とする両翼100m、中堅122mを確保。観客席のメインスタンド(特等席)は最大限配置し、屋根をスタンド中央通路まで掛けることで快適な観戦に配慮する。また親子席、ながら席も設置することで多世代が楽しめる仕様とする。

 設備関係では、照明のLED化や個別空調システムの採用を検討。素材についても、リサイクル素材を基本として、清掃性と耐久性の高いものを選定する。またアフターコロナとして、基準を上回る機械換気量の確保や自然通風の確保にも取り組む。

 複合的な機能として、観客席後方の通路には1周約500mのランニングコースを整備するほか、球場隣には多目的広場や子ども向け広場などを新設する。多目的広場は防災広場としても位置付け、防災備蓄倉庫やマンホールトイレ、かまどベンチなどを整備する。隣接するブルペン(屋内練習場)では、水や食料などの支援物資の配給場所としても活用する計画としている。

 現在では、地質調査を㈱地研コンサルタンツ(埼玉県川越市)、測量調査を㈲グリーン都市開発設計(日立市)が進めている。

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