神栖済生会病院(神栖市知手中央7―2―45)は病院の増築・改築工事を計画している。10月ごろ済生会本部の施設運営委員会や理事会、評議員会の承認などを経て、実施設計に着手。順調ならば2023年夏ごろに工事を発注する。工期は1年半程度を見込む。2期工事のうち1期目では病床数を50床程度増床するほか、手術室や感染症病棟を整備する計画。開院については25年夏ごろを目標とする。神栖市は当初予算に事業補助金として3860万4000円を計上した。
2期工事のうち1期目では、病床数を50床程度を増床する計画。工事2期目については1期目の状況を踏まえながら決定する方針だ。㈱内藤建築事務所(京都市)が5月31日に基本設計をまとめた。
21年3月に策定した基本計画では、総事業費として54億円を試算。完成時期を25年3月ごろとしていたが、手術室や感染症病棟といった密度の濃い施設を整備することから建設工事期間の長期化が予想されるため、25年夏ごろの完成を目指すことになった。
1期目の工事内容をみると、建物新築(RC造3階建て、延べ床面積7500㎡以下)、既存棟一部改修(RC造地下1階地上4階建て、延べ床1万1182・69㎡)、外構などがある。病床数を現在の179床から233床程度に増床する見込み。
第2期については患者の動向を踏まえ、既存施設を改修し増床する。HCU10床を維持しながら一般病棟を191床、地域包括ケア60床まで増床させ、産科の再開や歯科口腔外科の開設などを想定している。
新棟には病室のほか、救急外来室、手術室、病理検査室、放射線室などを整備。既存棟では入院患者増加に伴う給食の増量に備え、給食室や配膳台収納場所を拡張する。さらに、外来患者増加が予想されることから駐車場拡大、排水溝新設などにも取り掛かる。
新病院整備計画は17年4月に新しい病院の再編統合基本構想として始まった。神栖市内の公的病院である鹿島労災病院(神栖市土合本町1-9108-2)と神栖済生会病院は、慢性的な医師不足に陥っており診療体制が脆弱で、救急患者や重篤患者の受け入れが不十分な状況だった。医師不足により病床利用率が低く、両病院とも赤字決算を計上する厳しい経営状態にもあったため、再編統合する運びとなった。