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【新しい資本主義】新たな成長へ重点投資/実行計画と骨太方針決定

2022/06/09 本社配信

 政府は7日、「新しい資本主義のグランドデザイン・実行計画」と「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)を決定した。新しい資本主義では、市場で解決できない大きな社会的課題をエネルギー源と捉えて新たな成長を図る。具体的には、スタートアップやグリーン・トランスフォーメーション(GX)、資産所得倍増について複数年度にわたる具体的なプランを年内に策定、実行する。2023年度予算の編成方針を示す骨太の方針では、機動的なマクロ経済運営により経済回復を実現しながら、新しい資本主義の実現に向けた計画的で重点的な投資や規制・制度改革を行い、成長と分配の好循環を実現する岸田政権の経済財政政策の全体像を示している。実行に当たり岸田文雄首相は、参議院選挙後に総合的な方策を具体化し「エネルギー分野を含め、経済社会の構造変化を日本がリードする」と話した。

 新たな資本主義では、▽人への投資▽科学技術・イノベーションへの投資▽スタートアップへの投資▽GXおよびDX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資を4本柱とし、投資を重点化する。GXに関しては、企業の予見可能性を高めるため、民間投資に対する「呼び水」として長期民間投資を強く促すという国家意思を形あるものとして示す上で、「GX経済移行債(仮称)」を創設。今後10年間に150兆円を超える投資の実現へ、成長促進と排出抑制・吸収を共に最大化する効果を持つ「成長志向型カーボンプライシング構想」を具体化する。

 また、デジタル田園都市国家構想の前提として、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を推進。さらに、同対策後も中長期的かつ明確な見通しの下で継続的・安定的に国土強靱化の取り組みを進めていくことの重要性等を勘案し、次期「国土強靱化基本計画」に反映させる。

 骨太の方針では、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める経済財政運営の枠組みを堅持。持続的な経済成長に向けて、官民連携による計画的な重点投資を推進するとともに、危機に対する必要な財政支出は躊躇(ちゅうちょ)なく行い、万全を期すとした。

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