関東地方整備局のインフラDX(デジタルトランスフォーメーション)における河川ワーキンググループ(WG)は、ダム貯水池の堆砂測量に3次元データを活用するナローマルチビーム測深を利根川水系の藤原、相俣、薗原、八ッ場の4ダムで試験実施しており、データの取得・蓄積を進めている。2023年度からは鬼怒川上流に位置する五十里、川俣、川治、湯西川の4ダムに加え二瀬、宮ケ瀬の計6ダムにも取り組みを広げる考え。また、24年度にはダム貯水池のデジタル管理の実施を目指す。
ナローマルチビームは扇状に複数の音響を発射する方式。従来のシングルビーム測量と比べて、堆砂状況の把握が広範囲かつ面的に可能となる。しかも、水面下の堆砂状況をカラー段彩図で示すことにより理解しやすく、迅速にデータ化ができて利点が多い。
ダム貯水池のデジタル管理は、3次元データを活用した面的管理に移行するもので、詳細な堆砂状況の把握ができる。また、斜面崩落時に迅速な被害状況の確認も可能。23年度で基本検討と構築を進めて、試行管理に着手する。