榛東村の林業試験場が最初の勤務地で、20代は渋川地域で勤務してきた。小野上には試験場の実験林があり、また、子持には林木育種場があるので、育種や造林、保育は当地域で学んだといってよい。「この度、渋川森林事務所長を拝命し、皆さんとともに仕事ができることは光栄に思っている」と意気込む石田所長は、富岡市の出身。実家は県富岡合同庁舎のすぐ近く。昭和50年代ごろまでは典型的な農村地域だったが「だいぶ印象が変わった」とふるさとを想う。高崎市在住で、自宅近くにJR信越線の新駅ができる予定なので、自宅周辺の雰囲気も変わるのかなと考えているという。
県立富岡高校を卒業後、日本大学農獣医学部に入学。卒業後、群馬県庁に入庁した。休日の朝はジョギングで汗を流している。自らコースを設定し「烏川のサイクリングコースを頻繁に利用している」という。以前は県外のマラソン大会にも参加していた。練習のときもタイムを気にして走る傾向があることに気づき、最近は参加していない。所有する畑で行っている野菜の栽培では「機械を持っていないため、体を酷使している。県内の林業同様、機械化の必要性を感じている」と笑顔を見せる。
これまでに携わった思い出深い仕事は、昆虫の森建設室で携わった里山の復元。放置され、アズマネザサにより立ち入りが困難な広葉樹林を整備し、昭和30年代ごろまで日本各地に広がっていた里山の風景、環境を再現する取り組みで「ササを刈り、間伐や倒木の片づけを行ったうえで、遊歩道や、エンカウンターと呼ばれる動植物との出会いの場、山野草の整備を進めた」と振り返る。
若手職員には近年業務量が多くなり、多様化している「分からないことはそのままにせず、周りの職員に聞いてほしい。特に係長には報告・連絡・相談の徹底を図り、業務をスムーズに進めてほしい。また、色々な資格にチャレンジすることは勉強にもなるので、資格試験に積極的に挑戦してほしい」と呼び掛ける。
県内の建設業界へは「地域住民を災害から守り、豊かな暮らしを支える頼もしい存在であり、信頼されている。今後とも地域のために活躍いただきたい」とエールを送る。