昨年度に約20年ぶりの吾妻農業事務所に配属となり、本年度からは農村整備課長に就任したことに触れると「当時の自分が手がけた構造物が、現在でも機能している状況は喜ばしい」と心境を述べた。以前の配属時、印象に残っているのはトンネル改修工事だと話す。素掘りトンネルやライニングにクラックやズレが発生している現場は「不気味で怖かった」とか。資材を索道で運び人間は徒歩で登山だったことから、現場監督に気合いを入れる必要があったことや「改修工事は新規掘削と違い標準的なものが無いため、設計積算にかなり悩んだ」と当時を振り返る。一方で「20年の歳月は一様に老朽化を実感させられる」と話す。
「群馬県農業農村整備計画2020」に掲げた各種施策を実現するため、地域の特性や強みを活かした取り組みを進めていくとともに、農村整備事業の推進は地域の要望を具現化していくものだとし「行政関係機関ばかりではなく、地元農家との調整を丁寧に行い要望に応えられるよう対応していきたい」と抱負を述べた。
本年度は、農道や排水路の整備や区画整理による営農条件を改善に対して、嬬恋村田代湯尻地区で新規に事業を行うほか、同村干俣地区と同村仙之入地区で生産基盤の整備を引き続き行う。
農道機能の維持や保全については、嬬恋村の大笹地区のほか東吾妻町の榛名西麓2期地区で新規に事業を行う。また、中之条町の美野原3期地区において、持続的な農業用水の安定供給を図るための施設の長寿命化対策を新規で実施する。
若手職員には「農業土木のプロフェッショナルになるべく、技術関係だけでなく業務のあらゆる面で情報収集と運用を心がけ業務をこなして欲しい」とアドバイス。
建設産業に対しては「特定家畜伝染病防疫への協力体制を重ねてお願いしたい」とし、発生時には速やかな対応が必要となるため「出動態勢の確認や確認研修等には、多くの参加をお願いしたい」と要望した。
コロナ禍が始まって以来趣味のスキーから離れてしまっているとか。休日には家業の農業を行っている。田と畑を管理しながらタマネギやホウレン草を作っている。「真夏の田の草刈りは気が遠くなるが、収穫の時は苦労が報われる」と笑顔で話した。