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宇都宮駅西口南地区再開発、総事業費58億円 20階建て80mのビル、近く組合設立認可へ

2022/06/21 日本工業経済新聞(栃木版)

 宇都宮駅西口南地区第1種市街地再開発(駅前通り3丁目)の事業計画案がまとまった。駅から徒歩1分の立地利便性を有す約0・2haの地区が対象。タワーパーキング併設型のRC造地上20階地下1階建て延べ約1万3600平方m(建築面積約760平方m)、高さ約80mの再開発ビル(住宅101戸、商業施設、駐車場104台)を建設する。総事業費58億2728万9000円を見込み、2025年度の完成を目指す。近く組合設立認可の見通し。

 都市計画決定は21年4月に告示済み。施行者は設立認可待ちの「宇都宮駅西口南地区市街地再開発組合」。一帯は県都宇都宮の玄関口であり、駅西口駅前広場に面する一角。土地の高度利用や用途の転換と防災対策が遅れ、敷地形状が細分化されている。

 駅前の立地特性を十分に生かし、都心居住の促進や歩行者空間の整備に併せたにぎわいのある空間を創出。再開発ビルの低層部に商業施設、高層部に都市型住宅を導入。建築敷地面積は約1300平方m、建ぺい率は60%、容積率は約700%。

 駅からの視認性が高くアプローチしやすい敷地北側1~3階低層部に商業施設、敷地東側に住宅共用部を配置。4~20階の高層部は住宅専有部。採光や通風、眺望の良い住宅を効率的に配し様々なニーズに対応。外観はランドマークとなるデザインを採用する。

 再開発ビルを北西に囲む市道8号線、南側の市道9号線、東側の市道105号線沿いに2mの壁面後退線を設定。ゆとりある外部空間を創出し、防災性を向上。歩行者空間を確保し、人や環境に優しい街づくりに努める。自動車出入り口は西側の市道8号線に設ける。

 1階店舗は歩道と一体化し、駅前のにぎわいが連続するよう配慮。2~3階店舗は外部テラスからアプローチでき、2~3階テラスを緑化。防災備蓄倉庫の整備や浸水対策に万全を期し、有事の際は帰宅困難者を受け入れる。全体はバリアフリー化する。

 地下1階は駐輪場と機械室、1~2階は住宅と商業施設、3階は商業施設と機械室。4~20階は住宅。戸当たり面積は家族構成に応じ80平方m台34戸、70平方m台28戸、60平方m台26戸、90平方m以上9戸、20~40平方m台4戸を用意する。

 主な資金計画は調査設計計画費4億4159万2000円、土地整備費1億3432万3000円、工事費47億548万8000円、補償費3億4997万8千円。資金調達方法は市街地再開発事業補助金、防災省エネまちづくり緊急促進費補助金、保留地処分金。

 事業推進コンサルタントは再開発計画オフィス、事業協力者は旭化成不動産レジデンス、基本計画はAIS総合設計(宇都宮市)が参画。再開発準備組合(巴山勝雄理事長)は18年12月に設立されている。組合昇格後は権利変換計画認可手続きに入る。

 駅西口地区は1982年の東北新幹線の開通、83年の西口広場の拡張により利便性が向上。90年の西口第1地区を皮切りに2000年に西口第4C地区、05年に西口第4A地区、11年に西口第4B地区の市街地再開発が相次いで完了した。

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