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群馬県伊勢崎市

調査結果まとめる/構造計算書偽造で

2005/12/02 群馬建設新聞

 伊勢崎市は、各地で建築物の構造計算書などが不正にあやつられ、偽造が発覚している状況を受け、建築物の構造計算書などの調査を行った。建築物の構造の専門家を加え、姉歯建築設計事務所が関与した市内の建築物について、当該建築物の構造計算書等を取り寄せ建築物の安全性について調査し、その結果をまとめた。

 それによると、今回対象となったのは、伊勢崎サンホテル(伊勢崎市大手町)で、設計者が平成設計(株)一級建築士事務所(東京都千代田区)、構造計算を姉歯建築設計事務所が担当している。規模はRC造10階建て、延べ床面積2339・46㎡。部屋数は125室で、平成14年3月29日にオープンしている。

これまでの調査の経緯によると、構造計算書および構造図の中で、不備な点は見あたらなかったが、構造計算書の偽造が大きな社会問題となっていることから、構造計算プログラムによる再計算を11月21日~27日までの間で行った。

 調査は、市および構造計算の専門家(一級建築士)が担当し、調査方法として、設計段階の構造計算書のデータを入力し、国が認定した同一の構造計算プログラムを使用して、建築確認時の条件で再度、構造計算を行い、再計算により、プログラムにおける計算過程を確認した。

 その調査結果、2階以上の耐震壁の断面算定の数値に違いが見られ、当該建築物については、大きな地震を想定した耐震性に問題があることが分かった。

 市では今後、ホテルオーナーへ、耐震性を確保するための補強方法などについて、引き続き構造の専門家を交えて検証するよう要請するとともに、建築基準法、建築士法に基づき、関係者から事情聴取していく。



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