国土交通北陸地方整備局は1日、2022年度第2四半期以降の発注見通しを公表した。大町ダム等再編事業で計画する延長約11㎞の土砂輸送用トンネル工事は第4四半期に予定。同工事は、工事着手後の円滑な施工を図るため、施工者が設計段階から設計業務への技術協力を行う「技術提案・交渉方式(技術協力・施工タイプ)」を適用。工事は、技術協力業務を担当する前田建設工業・安藤間JVとの随意契約を予定している。
トンネルの全長は、高瀬ダム上流の不動沢合流部付近から大町ダム下流の篭川合流部付近までの約11㎞。トンネル内にはベルトコンベアを整備し、不動沢からダム湖に流入する土砂を手前で搬出する。不動沢の土砂搬入口には不動沢土砂分級設備、搬出口には篭川土砂仮置き施設が設けられる。
トンネルのうち一般部(1万719m)は、地山状況や施工・経済性などを考慮し、TBM工法(全断面トンネル掘削機(TBM=トンネルボーリングマシン)でカッターヘッドを岩盤に押し付け、直接岩盤に反力を取りながら掘削する工法)を想定。延長11㎞に及ぶ同工法の施工実績は国内では確認されておらず、施工者独自の高度な技術力の活用が必要なことから、技術提案・交渉方式の適用を決めた。
今回見通しで示したのはトンネル掘削工事で、工期は約50カ月。その後、トンネル内の輸送設備やトンネル付帯設備を整備する。不動沢土砂分級設備は24年度、篭川土砂仮置き施設は27年度の着工を予定しており、29年度内の全体完成を目指す。
今回公表された発注見通しの県内工事の件数は42件。新たに追加された案件は、千曲川河川で「立ヶ花上流地区堤防強化工事」(中野市、堤防強化(法覆護岸工)および仮設工、工期6カ月、発注規模1億円以上2億円未満、第2四半期入札予定)、「戸狩狭窄部河道掘削その1工事」(飯山市、河道掘削および仮設工、工期6カ月、発注規模1億円以上2億円未満、第2四半期入札予定)、大町ダム管理所で「大町ダム上流管理用道路落石対策工事」(大町市、ポケット式高エネルギー吸収型落石防護網工および仮設足場工、工期4カ月、発注規模3000万円未満、第2四半期入札予定)など。