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栃木県宇都宮市

宇都宮市、叶谷、横山、鶴田で崩落対策、各地区の詳細設計を近く指名

2022/07/02 栃木建設新聞

 宇都宮市は、大地震時に盛土全体が滑る可能性がある叶谷、横山、鶴田の3造成宅地で滑動崩落対策工事を計画。近く指名競争入札で地区ごとに詳細設計業務を委託する。当初予算に委託料4950万円を計上。年度内の履行期間で地盤状況の調査や工法を選定し、事業費や概算工事費を算出する。工事は2~3年の工期を見込み次年度以降に発注する。着実な事前対策を施し住民の安全確保を図る。

 市都市計画課によると、工法は斜面の安定対策で実績の多いグランドアンカー工または地下水排除工を想定。詳細設計では選定した工法の数量計算や安定計算、測量、地質調査なども実施。工事は基本的に宅地に影響を及ぼさないよう進め、滑り始めの大元を断ち地盤を安定させる方針。

 3地区の造成宅地はいずれも民間造成地で盛土面積3000平方m以上の谷埋め型大規模盛土造成地。

 区域内の建物立地戸数は叶谷地区が50戸、横山地区30戸、鶴田地区20戸。対策工事を施す滑り面は3地区合計で約3ha。

 今年度から造成宅地防災区域指定が適用され、国の宅地耐震化推進事業の支援制度を活用。1ha当たり1億6000万円を上限に工事費の2分の1を補助。工事完了後に造成宅地防災区域指定が解除される。

 市では2017年度に第1次スクリーニング調査を実施。84カ所の大規模盛土造成地を抽出し19年度に市民に周知するマップを公表。並行して18~20年度にかけ現地踏査し15カ所まで絞り込んだ。

 さらに、15カ所で簡易地質調査や簡易安定計算を行い、より詳細な調査が必要で危険性のある盛土3カ所を抽出。21年度に物理探査や地質調査、安定計算などを実施。22年1月中旬に調査結果を地域住民に報告。3月に区域指定・防止工事の内容を説明し、各自治会から要望書が提出された。

 市は今回対策箇所以外の第2次スクリーニング調査抽出12カ所の経過観察(モニタリング)も継続。年1回の目視点検などを実施し改めて2次調査の必要性を検討する。

 滑動崩落の事前対策工事を実施するのは全国に見ても前例が少なく兵庫県西宮市、大阪府岬町、宮城県仙台市のみ。宇都宮市が4例目となる。

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