記事

事業者
国土交通省

【公共事業労務費調査】新たにオンラインを試行/技能者への手当調査も

2022/07/05 本社配信

 国土交通省は、次年度の公共工事設計労務単価を決めるため毎年10月に行う公共事業労務費調査について、関係建設業団体へ周知・協力を通知した。本年度の調査からは調査票等の提出・管理・審査をシステム上で行うオンライン調査を試行する。また、新たに賃金台帳に記載のない技能労働者への手当に関する調査も追加項目とする方針だ。

 調査の実施に当たっては、昨年度と同様に一部対面調査を残しつつ、原則書面調査とする。対面調査を行う場合も、3密の回避をはじめとする基本的な感染対策を徹底した上で進める。

 オンライン調査は、2023年度から本格運用を視野に入れており、本年度は10地区ある地方連絡協議会で10工事以上、全体で100工事以上を試行する。試行対象工事となった場合は9月までに説明会を実施するほか、説明用の動画を公開するなど、9月中旬のシステム稼働に備える。

 新規の調査項目は、基準内手当であるものの、賃金台帳に記載のない手当の受け取り実態を把握するもので、新たに記入欄を設ける。近年、元請け企業が下請企業を通さず技能労働者に対して直接、技能レベルに応じた手当を支払っている事例が増えているため、調査項目に加えることにした。

 公共事業労務費調査は、全国の国交省および農林水産省が所管する10月に施工中の1件1000万円以上の公共工事の中から約1万工事を無作為抽出して実施。対象工事に従事する技能労働者の賃金を積算で使用する51職種に分類し、都道府県別に把握する。10月分の賃金が対象だが、標本が少ない38職種は9月分の賃金支払い実態も調べる。

 また有効標本とならない棄却標本数の割合は減少傾向にあるものの、依然として2割以上が無効となって棄却されているため、就業規則に定める所定労働時間が週40時間以内になるようにするほか、調査票への記入事項の根拠となる作業日報、過去一年分の出勤簿などを提示できるよう書類の整理を求めている。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら