「OIMS」進めたい
関東経済産業局は1日付で着任した太田雄彦(おおた・たけひこ)新局長の就任会見を、さいたま新都心合同庁舎1号館の8階会議室で行った。関東地方整備局などと共同で進めているオープンイノベーション・マッチングスクエア(OIMS)について「現場で解決したい課題・ニーズと解決できる新たな技術・シーズのマッチングを実現するWebサイトで、イノベーションはこれからの『鍵』だと考える」と前置き。続けて「異業種連携の取り組みは今までも行ってきたが、イノベーションは思いがけないつながりから生まれるもの。積極的に進めたい」と意欲を示した。
就任の抱負として『スタートダッシュの100日プラン』を掲げ「自分は現場サイドの人間だと思うので、できるだけ地元の自治体や企業の方々を回り、さまざまな体験を分かち合いたい」と説明。そして「多くの現場の喜怒哀楽や五感を通じて、得ることのできる改善提案などを行いたい」と提示した。
管内が抱える課題と景気動向は「国内GDPの4割を占める経済圏で、全国の景気の動きと管内の動向は『相似形』で動いている思う。自動車製造業などには中国のゼロコロナ政策や半導体不測の影響が出ていると見られる」と分析。ただし「埼玉県は国内で唯一人口が増加し、学校の新・増設も見られる。この活力を全国に広げることが我々の仕事の一つと考える」と語る。
思い出に残る仕事は「2013年からの東京電力執行役員原子力立地本部副本部長時代に経験した福島第一原発事故の現場。事故から2年が経過しているのに、まだまだ放射線量が高く『線量計』の鳴る音を聞きながら、当時の作業員が書き残した水位の殴り書きを見たときは、足がガクガク震えた」と振り返る。
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【略歴】 1990年旧通商産業省入省。日本貿易振興機構ベルリン・センター所長、東京電力執行役員原子力立地本部副本部長、製造産業局総務課長、大臣官房技術総括・保安審議官などを経て、1日付で現職。東京大学工学部航空学科卒。長崎県出身。56歳。
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<太田新局長>