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群馬県建築課

建築課が2022年度の大規模建築物の耐震化状況示す

2022/07/12 群馬建設新聞

県建築課は、2022年6月末時点の要緊急安全確認大規模建築物の状況を明らかにした。ホテル・旅館の13施設で震度6~7の地震に対して倒壊・崩壊の危険性がある、もしくは高いとされている。各施設で耐震化などの対応方法を示しているが、新型コロナウイルスなどの影響で3施設が工事の先送りや着手時期を未定に変更している。直近で工事着手を予定しているのは草津ナウリゾートホテル(草津町)で、25年6月の着手を目指している。

県が所管しているのは、建築主事を置き独自にまとめている所管行政庁の前橋市と高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、館林市を除く29市町村にある施設。

対象はホテル・旅館や学校施設、体育館、病院、行政施設などの大規模な建築物かつ旧耐震基準で建てられたもの。そのうち、倒壊・崩落の危険性が高い施設をⅠ、危険性がある施設をⅡ、危険性が低い施設をⅢとして区分している。

22年度時点でホテル・旅館の11施設を危険性が高いⅠに区分、2施設を危険性があるⅡとしている。また、大泉町庁舎は危険性があるとしてⅡに区分している。

ホテル・旅館で危険性がある・高いのは◇伊香保グランドホテル(渋川市)◇ホテルきむら(渋川市)◇森秋旅館(渋川市)◇よろこびの宿しん喜(渋川市)◇草津温泉ホテル一井別館棟(草津町)◇草津温泉ホテルリゾート(草津町)◇草津白根観光ホテル櫻井本客殿(草津町)◇草津ナウリゾートホテル(草津町)◇ホテル大東館(草津町)◇喜びの宿高松(草津町)◇源泉湯の宿千の谷(みなかみ町)◇源泉湯の宿松乃井(みなかみ町)◇水上館(みなかみ町)-の13施設。

大泉町役場は21年度は危険性の高いⅠに区分されていたが、建て替えの方向性を示したためⅡに変更している。

旅館・ホテルの今後の対応は次のとおり。

【伊香保グランドホテル】

危険性の高いⅠに区分。1号棟と2号棟、客室棟で耐震改修を予定。3棟とも耐震補強設計が完了しているものの、工事時期は未定としている。

【ホテルきむら】

高砂棟とロイヤル棟が対象で、補強設計は完了。工事の時期は未定としている。安全性の区分はⅠとなる。

【森秋旅館】

本館や新館など5棟で耐震補強を計画している、設計は完了しているが、工事時期は未定。区分はⅠとしている。

【よろこびの宿しん喜】

安全性の区分はⅠ。東棟、西北棟、西南棟で耐震改修を行う。工事時期は未定。

【草津温泉ホテル一井別館棟】

21年に第1期工事を完了させているため、危険性の高い区分Ⅰから危険性のある区分Ⅱに変更。24年7月の完了を予定している。22年度は工事を行っていない。

【草津温泉ホテルリゾート】

高層棟と低層棟で耐震補強を予定。設計を進めているところで、工事実施時期は未定。

【草津白根観光ホテル櫻井本客殿】

危険性のあるⅡに区分。50H・50L・53H棟で耐震改修の設計が完了しているが、工事時期は未定としている。

【草津ナウリゾートホテル】

A・B・Cの3棟で耐震補強を予定。設計は完了している。工事の実施時期は、21年の状況から1年先送りとなり25年6月~28年5月にしている。危険度はⅠ。

【ホテル大東館】

危険度の高い区分Ⅰに該当。高層棟A・同B、低層棟、宴会場棟の耐震補強を予定。設計は完了しているが、施工時期は未定。

【喜びの宿高松】

A~F棟が対象。今後の方針を未定としている。危険度の区分はⅠ。

【源泉湯の宿千の谷】

A~D棟で耐震改修を予定。危険度の区分はⅠで既に耐震補強設計済み。21年8月から工事に着手する見込みであったが、未定へと変更している。

【源泉湯の宿松乃井】

危険度の高いⅠに相当。9棟で耐震改修を予定しており、耐震補強設計は完了している。23年8月からの工事予定であったが未定へ変更した。

【水上館】

新本館など4棟で耐震改修を予定。設計が完了しているものの、工事着手時期は未定。危険度の高いⅠに該当している。

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