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日本精機がミニショベルのICT施工補助システム「Holfee(ホルフィー)」開発

2022/07/13 新潟建設新聞

 

日本精機(佐藤浩一社長、本社・長岡市)がミニショベルのICT施工に新風を吹き込む。アームなどの角度をセンサーで認識し、掘削深度を確認しながら施工できるガイダンスシステム「Holfee(ホルフィー)」を開発した。人手不足や熟練技術の継承問題に一役買いそうだ。

 ホルフィーは「掘る」と「フィーリング(感覚)」を掛け合わせて名付けた。文字通りガイダンスシステムが掘削の感覚を手助けする。経験が浅いオペレーターでも、無理なく目標とする深度や勾配を数値で確認しながら施工をガイドする。目標値を超えるとアラームで知らせる機能もある。

 センサーがバゲットの爪の先端の位置と地面までの距離を割り出す。それぞれの数値はゲートウェイユニットが中継し、スマートフォンの専用アプリに送る。中継器はシガーソケットから電源を供給し、センサーユニットは電池を採用している。

 画期的なのは、既存のミニショベルに取り付け可能な点だ。センサーユニットは、磁石を用いて、ミニショベルの腕部分のブーム・アームと、バケットの三カ所に張り付ける。初期設定が5分~10分程度で、設置が簡易な点もポイントだ。大きさも小型で、センサーユニットが125×82×48㎜、中継器が170×90×35㎜となっている。

 通常、ショベルを運転するオペレーターと、実際に深度を測る作業員が複数で施工を行うが、ホルフィーを利用すれば単独で施工でき、事故などのリスクも軽減される。

 7日、掘削作業を実演してもらった。40センチの掘削で誤差は1センチ程度だった。驚くのは、操作してくれたのがことし5月に免許を取得したばかりの女性社員だったこと。ユニットの磁石も強力で、掘削中にアームが揺れてもずれることは無かった。

 大型の建機はガイダンスコントロールが普及し始めている。一方で、ミニショベルの補助システムはあまり例が無い点に着目したという。従来から建機用製品としてメーターなどを手掛けており、センサー技術の知見もある。これを生かそうと、開発に着手したのは2020年3月ごろで、試行錯誤を繰り返してきた。

 自動施工ではなく、あくまでもオペレーターを補助するシステムにこだわった。ホルフィーで感覚をつかみ、スキルアップにつなげてほしいという考えからだ。今後はオフセットブーム機への対応など、機能の拡張を検討している。

 発売は2023年3月を見込み、現在改良を重ねている。価格は100万円以下に抑えたい考えだ。問い合わせ先は、同社広報担当(℡0258-24-3335内線1038)。

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