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千葉県栄町

24年度の再開目指す/ドラムの里を振興拠点に/公共施設の防災拠点化など/橋本浩 栄町長インタビュー

2022/07/19 日刊建設タイムズ

 5月15日投開票の栄町長選挙で初当選を果たした橋本浩町長が、日刊建設タイムズの単独インタビューに応じた。施設の老朽化や新型コロナウイルス感染症などの影響で指定管理者が撤退したことにより一部閉館中の「ドラムの里」について、町の産業振興拠点として2024年度の再開を目指すとした。また、大規模な災害が増加傾向にある中、「全ての町民の命を守る町づくり」を第一義に、防災拠点として「ふれあいプラザさかえ」の整備を優先して行うとした。そのほか、安食駅のバリアフリー化、給食センターの建て替え事業などを実施する。

 

 ――栄町への思いや印象について。

 

 橋本 栄町に来たのは小学校1年生のときで、人口が増加傾向にあり、生き生きとした時代を過ごすことができた。この経緯から、地域の人々に育ててもらったという感謝の思いが人一倍ある。

 国際空港がある成田市と発展著しい印西市に挟まれ、自動車で15分ほどで大きな病院や商業施設に行くことが可能であるなど、立地条件に恵まれている。また、自然豊かで、犯罪件数も少なく、安心・安全な町だと感じている。

 

 ――多くの町民の負託を得て、町長に就任した。

 

 橋本 14年間、町会議員を務める中で、町民の声を聞くことが大切なことだと感じた。今後も聞くことを継続し、選挙時に掲げた「希望あふれる町」を目指して励んでいきたい。

 

 ――選挙時のスローガン「情熱と行動力!希望あふれる町をつくる!」を掲げてる中で、今後注力していくことは。

 

 橋本 「全ての町民の命を守る町づくり」を最優先に取り組む。近年大規模化している災害から、生命と財産を守ることが何よりも重要だと考える。安否確認や避難所の設置・運営について、町民の皆さまの協力をいただきたい。

 また、町役場北東側にあるふれあいプラザさかえの複合利用を検討している。公共施設の機能を充実させ、災害時の支援拠点としての機能も拡充していく。

 さらに、若い人たちが住みやすい町を目指す。人口は1995年の約2万6000人をピークに、現在は2万人を下回っている。人口減少を食い止めるため、若い世代の転出者を抑えて転入者を増やす必要がある。そのために、子育て世代が安心して暮らせる町になるよう努める。

 加えて、要望が多く寄せられている病院の診療科目の増加など、「希望あふれる町」にするため尽力する。

 

 防災機能の充実 観光拠点整備へ

 

 ――安食駅のバリアフリー化について。

 

 橋本 利用者から、安食駅のバリアフリー化の要望が多数寄せられている。今後はJR東日本と協議を行い、複数ある改修方法を比較検討していく。

 また、2021年度に実施した町民意識調査や財政面を考慮しつつ、さまざまな視点に立って対応策を練っていく。

 

 ――災害時支援拠点について。

 

 橋本 「ふれあいプラザさかえ」を災害拠点として考えていく。また、隣接地にある安食台第一近隣公園をボランティアの方々の待機場所や支援物資の集積場所とする。

 

 ――給食センターの建て替え事業は。

 

 橋本 建設用地は確保し、粗造成も終わっている。22年度に発注済みの実施設計を進め、23年度と24年度の2か年で工事を実施する。供用開始は25年を想定している。

 

 ――「ドラムの里」の活性化は。

 

 橋本 21年度、指定管理者が新型コロナウイルス感染症などの影響で撤退してしまった。コスプレの館と農産物の直売所は再開しているが、レストランは厨房の老朽化もあり、閉鎖したままだ。産業振興拠点として、21年度に実施した直売所やレストランの長寿命化調査を基に、23年度に改修の設計を実施し、24年度の再開を目指す。

 

 ――地域の建設業に対する思いは。

 

 橋本 災害協力会を組織し、大雨時の災害復旧、積雪時の雪かき、冬場凍結した道路に塩化カルシウムの散布など、災害時に対応していただいている。

 今後も行政で対応しきれない部分に力添えをいただき、安心・安全な町づくりに貢献してほしい。

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