県都市整備部は姉歯氏らによるマンション耐震構造偽造問題に直面したことを受け、建築確認体制のチェックと強化を進めるべく県認定の県内に本店をおく2建築確認機関と県内10市の特定行政庁の構造計算書などの審査体制および方法について調査する方針を6日までに固めた。2建築機関については年内にも実施し、特定行政庁には年明け順次行う。審査体制とともにサンプルを抽出しその図面とそれに対しての対応などの把握も行うもようで、件数などについては今後詰めていく。
同部では建築指導課が自発的に11月22日と24日に県が認定した財団法人・さいたま住宅検査センター(さいたま市浦和区仲町)と(株)埼玉建築確認検査機構(さいたま市浦和区常盤)に立ち入りを行い、建築確認状況をチェックすべく各3件ずつ抽出し作業内容と構造審査の実態を行った。その時は「特に体制に問題はなかった」としている。
しかし、5日都内で国土交通省が設置し開いた「緊急建築確認事務点検本部」(本部長=山本・国土交通省住宅局長)の拡大会議における席上、構造計算書・構造設計図などの審査体制および同方法について都道府県の主管課長らに対して説明した。その中で国土交通省は日本ERI、イーホームズらの48の建築確認機関すべてに立ち入り調査を実施する。また、都道府県はそれぞれ認定した民間建築確認機関に対して実施することや、特定行政庁に対して行うことの理解を求めたとされている。
そこで県では建築指導課が直ちに同様な実態把握調査に着手することを決めた。2つの県認定の機関には年内に取り組むとしている。
また、さいたま市、川口市、川越市、所沢市、越谷市、草加市、上尾市、春日部市、狭山市、新座市の10特定行政庁に対しては1月以降順次実施する方針でいる。
構造計算書・図面などのこれまでのチェックを行うとともに、人数や建築確認許可件数などの体制の把握などを調査する見込み。今後具体的な進め方や件数について検討する。
これら一連の動きは姉歯氏の構造計算偽造問題、マンション販売主のヒューザー、木村建設、イーホームズだけではなく他の提出図面などもチエックするとともに耐震・構造に対する建築確認体制のあり方を強化・充実させることを目的に行う。例えば、既報したように川口市内のマンションは一度「耐震性に問題はない」としながらも数日後には「やはり倒壊の恐れがある」という結果を発表するなど、建築確認検査機関だけではなく全国的に行政も見逃している状況が相次いでおり、行政に対しても信頼が失墜していることから国土交通省が都道府県と連携し進めることになった。
国土交通省はシノケン、ヒューザー、木村建設の3社については過去5年分にさかのぼり検証に踏み切る。