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住宅浸水は1700戸超 仮設住宅100戸程度整備 県と村上市

2022/08/10 新潟建設新聞

 新潟県は3日~4日にかけて下越地方を襲った大雨災害の被害と対応状況をまとめた。8日午後3時発表によると、村上市や関川村、新発田市、胎内市、新潟市など1700戸を超える住宅が浸水被害を受けた。村上市では、豪雨で被害を受けた住民を対象に、仮設住宅100戸程度を整備する方針だ。


9月入居へ準備進める

村上市


 村上市は、10日から入居の意向を聞く見通しだ。仮設住宅については、新設を中心に整備を行う方向で調整している。現段階では設置場所については検討中としているが、被害の大きかった荒川地域の住民などを主に想定しているもようだ。

市の担当課は「仮設住宅の設置については、県が中心となって進めることになる。今後住民から意向を聞き、実際必要となりそうな整備戸数を把握し、最終的に県と協議した上で、整備戸数を正式に決定したい」と話す。

 早ければ、9月にも入居できるよう早急に準備を進めたい考え。

 また、市は9日に臨時議会を開催。8月補正予算に公共土木施設災害復旧工事費530万円、農地農業施設災害復旧工事費360万円、林業施設災害復旧工事費270万円など、総額1億2830万円を 追加計上した。

 県が公表した公共土木施設の被害状況では、河川管理施設の被害は、村上市内の新屋沢内川ほか11河川が溢水、高値川で堤防損傷、荒沢川ほか22河川の護岸が損傷した。関川村では、前川が越水し、荒川ほか8河川で護岸損傷。胎内市では乙大日川が越水、胎内川ほか4河川の護岸が損傷している。新発田市でも中田川ほか4河川で溢水、新金山川ほか2河川の護岸損傷。阿賀町では馬取川ほか4河川で護岸損傷、長岡市の浄土川が越水し、堤防、護岸が損傷した。

 土砂災害の発生状況は、村上市貝附、花立、関川村の南赤谷、朴坂、中束の6カ所でがけ崩れが発生。村上市花立、小岩内、荒島、関川村の湯沢、南中、滝原の6カ所で土石流、村上市大海1カ所で、地すべり災害が発生している。またヘリ調査により荒川下流域で山腹崩壊を多数確認、6日から、TEC-FORCEおよび新潟県地質調査業協会による調査を実施中。

 道路の被害状況では、直轄国道は、通行止めとなっていた国道113号村上市坂町の十文字交差点~関川村大島の高田橋入口交差点の区間は、一部片側交互通行とし、通行止めを解除。県管理道路では、通行止めとなっていた28路線、35カ所のうち、21路線、28カ所が解除済み。同日現在で、6路線、6カ所で全面通行止めが継続している。

 上水道は、村上市、関川村で約7200戸が断水。8日までに通水、試験通水が完了するも、村上市高根地区、北大平地区など一部では断水が続いている。公共下水道は、機能停止していた荒川浄化センターで中継ポンプ場を仮運転し復旧済み、管路施設は関川処理区で管渠施設2カ所、荒川処理区マンホールポンプ3基が被災。いずれも仮復旧済みだが、調査が続いており、今後、被害箇所が増える可能性がある。

 そのほか農地被害では荒川頭首工など454施設が被災、農地562件で、農道の法面崩壊、土砂流入、畦畔崩壊などが発生している。県管理発電所では、猿田発電所および奥三面発電所の地下室の一部機器が浸水し発電停止中。医療・福祉施設、保育施設、学校等でも浸水被害が発生している。

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