国土交通省の鉄道分野におけるカーボンニュートラル加速化検討会は、今後の取り組みの方向性を盛り込んだ中間取りまとめを行った。鉄道の特性を生かした脱炭素の考え方について、代表的な脱炭素プロジェクトを「地産地消型」「産地直送型」「新電車型」の3つの類型に整理。本年度に取り組むべき事項として、目指すべき姿、目標値の設定、取り組みごとのCO2削減効果や事業性に関する委託調査の実施、支援制度の検討、官民プラットフォームの設置などを提言している。
鉄道脱炭素に向けた取り組みの方向性は「減らす」「作る」「運ぶ」「貯める」「使う」の5つの観点で分類。主な取り組み例によると、「減らす」では省エネ車両、省エネ駅、省エネ運行ダイヤによりエネルギーを減らしていく。再生可能エネルギー等の関係では、再エネ発電、未利用回生電力を「作る」、地域・広域送電、蓄電池による電気輸送、水素輸送(パイプライン・貨物)で「運ぶ」、蓄電池、水素貯蔵施設(総合水素ステーション)で「貯める」、グリーン電力、グリーン水素を「使う」といった観点から取り組みを推進する。
本年度に取り組むべき事項のうち、支援制度に関しては、費用負担、鉄道事業者の初期投資への支援、税制等の在り方を検討し、2023年度予算要求などに反映させる。また、幅広い主体がそれぞれの強みを持ち寄り、協力体制を構築していくため、今夏中に「鉄道脱炭素官民プラットフォーム」を立ち上げる必要があるとした。さらに、行政、鉄道事業者、メーカー、研究機関、独立行政法人などの各関係者が取り組むべき事項を時系列で整理し、年度内にロードマップを作成することも盛り込んだ。