県日光土木事務所は、2022年度事業概要をまとめた。事業費は約50億円で94カ所を整備。このうち道路・街路事業が61カ所44億円、河川・砂防事業は33カ所で6億円を投入する。新規は461号大渡で、狭あいなクランク箇所を回避するバイパスを整備するためルート調査。120号馬返は清滝工区から続く西進2車線の3車線拡幅に向け予備設計を進める。121号文挾バイパスは宇都宮今市線をオーバーパスする横断構造物の詳細設計を進めるほか、小来川文挾石那田線岩崎で詳細設計を実施。砂防新規は急傾斜地崩壊対策の所野が待受け擁壁工設計、赤沢Aは待受け防護柵工設計を実施。砥川と小塩沢は既設堰堤を改築するため測量や設計に着手する。(2面に主要箇所)
文挾バイパスは板橋交差点から宇都宮今市線まで3500mの1工区で、宇都宮今市線との接続道路と周辺に設置する第3調整池の詳細設計を進め、諸元を固める。立体交差部の構造はバイパスが宇都宮今市線をオーバーパスする橋梁形式に決めた。県道立体と接続形態を検討する詳細設計を富貴沢建設コンサルタンツ、第3調整池の設計はダイミックが担当。
バイパス全線で工事用道路や地盤の状況を踏まえた施工計画を検討し業務を委託。地盤改良は谷地上のルートで深度に応じプレロードや深層混合処理方式を採用する。調整池は北側からルート中央部が第1、落合中学校付近に第2、宇都宮今市線と行川の間の候補地が第3。面積と容量は第1が2027平方mで2149立方m。第2は90平方mで1198立方m。第3は6000平方mの2000立方mで調整している。
120号日光宇都宮道路終点部から122号分岐の細尾大谷川橋交差点まで1・8㎞の清滝工区3車線は、交差点部の改良工事と区間内の舗装工事。細尾大谷川橋からいろは坂入口まで2・1㎞の馬返工区は、丘陵側と河川側を比較検討し3車線確保に向け予備設計を進める。道路予備設計はピーシーレールウェイコンサルタントが担当。
小来川文挾石那田線の岩崎は、歩道設置と拡幅を進める手岡工区に隣接。延長は宇都宮今市線までの1・8㎞。武子川横断部付近の線形改良を含む現道拡幅事業。今年度は道路詳細設計を進めるほか、武子川渡河部の検討を行う。詳細設計はピーシーレールウェイコンサルタントが担当。
川俣温泉川治線若間は、用地補償や環境調査などを継続しトンネル本体の発注時期を検討。県単では日陰地区1㎞の狭あい区間の対策を検討するため測量を予定した。
122号旧道の神子内橋は解体撤去。工事費は1億円を超える本庁執行の一般競争の見通し。架設は1934年で橋長46・8m(幅5・5m)。上部形式は3径間RCアーチ橋で、経年劣化により車両の通行が危険視されていた。解体設計は富貴沢建設コンサルタンツが担当。
電線共同溝のうち平町東町は、用地補償を進め第3四半期に2件の工事を発注。下鉢石町は23年度の電共工事に備える。
県単新規の下野大沢停車場線木和田島は、日光宇都宮道路大沢IC付近300mが歩道の中抜け区間。現道を使い歩道の再整備を計画しており、今年度は平面図化を実施。
国庫防災の120号湯元は、金精トンネル付近で法面を安定させる工種を確定。測量や地質調査、設計を実施。121号五十里は法枠工やグランドアンカーを施工するため、設計や地質調査を行い工事に備える。
砂防新規は急傾斜地崩壊対策事業所野Dと赤沢A。所野Dが待受け擁壁工160mを施工し、市道や人家11戸を保全。赤沢Aは待受け式防護柵工560mを計画しており、足尾生活福祉センター、わたらせ渓谷鉄道、市道に加え人家60戸を保全する。両地区とも施工地の測量や工種を確定する詳細設計を進め23年度以降の工事に備えていく。
砂防堰堤の整備では、下小網中沢が中央に幅3mの鋼製スリットを配し堤高11m、堤長38m規模で調整。詳細設計は大日本コンサルタントが担当。自由ヶ丘沢では用地買収を進め工事用道路の工事を実施。23年度の本体工事に備えていく方針。堰堤は中央に5mの鋼製スリットを配し堤高14・3m、堤長49・5m。
橋梁補修は121号小藤橋と竜王橋、栗山日光線六方沢橋で設計。120号大谷橋と庚申山公園線梅橋は伸縮装置の取り替えや橋面防水、中宮祠足尾線12号橋では断面補修、ひび割れ補修を実施する。