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栃木県足利市

足利市の道検証、スマートICアクセス路、交通量増加で安全対策、五十部町4号に歩道設置

2022/09/03 栃木建設新聞

 足利市は2日、市道五十部町4号線(五十部町)で「とちぎの道現場検証」を実施した。西部地区に計画する足利スマートIC(仮称)へのアクセス道路であり、三重小学校と西中学校の通学路。検証区間の延長240mは歩道が未整備で、通行車両と通学児童生徒の接触危険性が高い。2022年度は測量を委託しており、23年度は用地測量や詳細設計を委託する予定。

 検証区間は市道三重小俣通りと交差する第1大岩踏切から三重公民館付近の南北区間。南端の主要地方道桐生岩舟線交差点から北側に向かう都市計画道路3・5・106号7丁目大前線交差予定地に三重小学校が立地。50人の児童が登下校時に利用している。

 延長900mのうち北側の460m区間は歩道が整備済み、南側の200mは歩道整備を施工中。視察区間は人家が張り付き、朝夕は通行車両が多い。児童たちは東側の路肩内を一列で登校。傘さしで歩くと前方が見えず、道路は緩いカーブのため視界が悪い。

 現況は標準幅員7mの路線。市は今春に測量を晃洋設計測量に委託し、年度末が履行期限。業務範囲には道路予備設計が含まれ、来年度からは本格的な用地取得に向けた各種業務を委託。早期の歩道未整備中抜け区間の解消に向け、注力する。

 足利スマートICは北関東自動車道明かり区間の三重・山前地区に設置を計画。8月24日の地区協議会で実施計画書を承認し、2日に関係機関に提出した。市と県は21年10月、スマートIC新設アクセス路となる7丁目大前線の役割分担の覚書を締結した。

 7丁目大前線は主要地方道足利環状線と市道三重小俣通りを結ぶ延長4・5㎞(幅員15m)の東西幹線街路。現在は桐生岩舟線と三重小俣通りの2路線が東西を結んでいるものの、朝夕の通勤通学時間帯は主要交差点を中心に慢性的な渋滞が発生している。

 東側のさいこうふれあいセンターから北関東道交差部を含む2・7㎞を県道に認定し、うち交差区間の1・1㎞を優先整備区間に位置付けた。東側の五十部町4号線と西側の市道山下五十部通り間を結び、スマートICへ円滑な通行を確保する。

 市は県道から西進する1・8㎞区間を整備。県の7丁目大前線の優先整備区間の整備に併せ、市は東西幹線の三重小俣通りに接続する五十部町4号線と山下五十部通りの機能を強化。現段階のスマートIC最短の供用開始は28年度を見込む。

 早川尚秀市長は「スマートIC設置が実現すれば交流人口の増加、足利赤十字病院への広域医療体制、災害時の避難や復旧経路が充実する。三重小からは歩道整備の要望が出されており、懸案だったJR両毛線の踏切拡幅にも今年度から着手する」とあいさつ。

 中村資県安足土木事務所長は「道路は生活に欠かせないインフラでありながら、身近な余り重要性が見逃されがち。学校周辺での交通事故は後を絶たず、通学路の整備要望は断トツ。住民が真に必要とする道路整備を着実に推進しなければならない」と述べた。

 足利ICと太田桐生IC間は10㎞あり、岩舟JCTと高崎JCT区間内で最大の間隔(平均は4・9㎞)。中間部に足利スマートICを設置し、広域交通網と地域交通網を連結。道路ネットワークの強化を図り、市西部地区の振興の核とする。

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