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茨城県守谷市

【守谷市】60haへ物流施設など/守谷区画整理の提案公表

2022/09/30 日本工業経済新聞(茨城版)

 守谷市内の(仮称)守谷サービスエリア(SA)スマートインターチェンジ(SIC)周辺土地区画整理事業で、優先交渉権者の戸田建設㈱(中央区)が提案した内容が分かった。開発予定地の約60・8haのうち、守谷SAに近接する東側を「にぎわい創出ゾーン」、西側を「産業系ゾーン」とする想定。商業のほか、物流や製造、研究施設の整備を視野に入れる。順調ならば2025年度中に土地区画整理組合を設立し27年度から着工、36年度の事業完了とする内容を提案した。

 守谷SA周辺は野木崎地内の一部で、SA西側に位置するほか、予定地南東側には市浄化センターが隣接。SAと接している付近にはSICの設置が検討される(関連3面)。今後は、10月初旬に地権者へ提案内容を説明。同月下旬に戸田建設と準備委員会が業務協定書を交わし、本契約を結ぶ流れとなる。

 土地利用について、守谷SAに近接する東側を「にぎわい創出ゾーン」、西側を「産業系ゾーン」とする想定。同市の魅力を次世代につなぐ、にぎわいあふれる新たな複合産業拠点の創出を目指す。

 にぎわい創出ゾーンでは、食品スーパーやホームセンターなど多様な店舗を誘致し、ショッピングモールを整備。守谷SIC設置を前提に、同ゾーンと守谷SA利用者が相互に利用できる取り組みのほか、一時退出・再進入しても同じ料金で立ち寄ることができる仕組みの導入可能性を検討する。

 産業系ゾーンは、製造業系と物流系の2エリアを想定している。製造業系には常磐自動車道から見える緑の景観維持のため、低層の製造業を誘致。物流系については需要の高い物流施設のほか、研究施設などの誘致も視野に入れる。

 また、区域の一部が利根川の浸水区域であることから、守谷SAと同程度の地盤高とするため、同地区全域に3mの盛土を施す。加えて、進出企業に対して防災協定の締結を依頼する。

 景観形成について、建物高さや配置を進出企業と協議するほか、企業敷地や壁面、駐車場の緑化を検討できる環境意識の高い企業の誘致を目指す。

 まちづくりに関しては、無電柱化とする。先進的な取り組みとしてグリーンインフラおよびスマートシティ形成を検討。調整池をビオトープ化して親水空間を創出し、公園と調整池を隣接させることで回遊性向上を図る。

 事業展開の課題および提案については▽基幹水利ストックマネジメント事業との調整▽都市計画道路供平板戸井線の地区外整備と供用開始▽河川改修事業▽スマートIC開通―の4項目を挙げる。

 課題・課題が確認できた場合、23年度から都市計画手続きに着手し、25年度中に市街化区域へ編入。同年中の組合設立を目指す。26年度には仮換地指定を行い、27~34年度にかけて移転・基盤整備工事および進出企業の建築工事を実施。35年度に換地処分、36年度の事業完了とするスケジュールを描く。

 なお、スケジュールは戸田建設の案であり、今後の準備委員会や市、関係機関との協議などにより変更になる可能性がある。

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