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獅子ヶ鼻大橋下の埋立6カ年、事業費23億円試算

2022/10/05 新潟建設新聞

 新潟市は国道402号に架かる獅子ヶ鼻大橋で、橋梁下の埋め立てによる架け替えを計画している。埋立工事期間には、およそ6カ年、事業費には23億1000万円を試算する。海に張り出した同橋の下2676・09㎡を埋め立て、道路用地とする考えだ。

 西蒲区間瀬地内の国道402号越後七浦シーサイドラインに架かる同橋は、1973年に海側に張り出す形で架設され、49年が経過。海岸部であるため、塩害による劣化が進行し改築が必須となっていた。道路機能の維持に向けて「新橋架け替え案」「トンネル案」「埋立盛土案」が比較検討され、事業工程、経済性から重力式用壁を主とした埋立盛土案を優位とした。

 埋め立て地盤の高さは7・5m。護岸は基礎工が基礎捨石、本体工は水中コンクリート、上部工は天端高さ7・5mのコンクリート、消波工は異形ブロック天端高6・8mで構成。また埋立地には幅員600㎜、高さ600㎜、延長60mの排水路を配置する。

 埋め立ては、護岸と背後用地を一体的に造成。埋立土砂の投入は、水質環境の保全を図る観点から本体工を施工した後、背後の土取場から採取した山土および仮置きした浚渫土を陸上からダンプトラックにより投入、埋め立てる工法を採用する。

 まずは支障となる岩礁を浚渫し、既設護岸前面の消波ブロックを撤去した後、床掘。次に仮設消波堤に一部着手し、下部工、上部工を施工して既設護岸を拡幅。基礎捨石工の後、残りの仮設消波堤を整備する。

 下部工では水中コンクリートを打設、根固めブロックを据え付ける。背後の土取場から採取した山土および仮置きした浚渫土を陸上から投入し、裏込工、埋立工を所定の高さまで行う。並行して上部工を進め、迂(う)回路を確保する。前面の消波ブロックを計画高まで施工し、既設橋梁を撤去した後、埋立工を計画地盤高まで進め、最後に道路工を行い完了となる。

 埋立土砂のうち浚渫土は約5000立方。護岸工および前面浚渫施工箇所から採取し、仮置き後投入。山土1万8000立方は、新潟市および長岡市から搬入する。

 本年度は年明けに消波ブロックの製作工事の発注を予定している。長岡市寺泊上田町地内で600個を製作し、現場まで運ぶ。

 埋め立てに関する工事費の内訳は▽橋梁撤去8300万円▽浚渫、消波工含む護岸工14億3100万円▽埋め立て工事2億4600万円▽道路工2億円▽迂回路等関連工事3億5000万円―を見込んでいる。

【写真=架け替えられる獅子ヶ鼻大橋】

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