県は、鹿沼市の1級河川小藪川楡木町工区で神社橋上下部工を一括で発注するほか、神社橋下流の護岸工を4分割で年内にも発注する。県鹿沼土木事務所によると、神社橋を上流端とする下流区間は流下能力の低い狭小区間のため、優先して工事に着手するとした。架け替える神社橋は橋長17・9m、幅員4・9m。上部形式がプレテンション方式PC単純中空床版桁、下部工は場所打ち杭逆T式橋台2基。橋梁設計はオリエンタル技術開発、地質調査を中央土木工学研究所が担当した。
楡木町工区の事業区間は小藪川中流域に位置し、全体では黒岩堰から樅山町の主要地方道鹿沼足尾線小藪橋まで3・3㎞。19年9月に思川河川整備計画を変更し、施行区間を位置づけた。
概ね10年に1度の割合で発生する洪水流量に対応し、毎秒110立方mを確保する河道改修を実施する。計画河床勾配は1/210。
このうち下流端の黒岩堰から合の堀堰まで1・8㎞を工区割りして着手。今年度は護岸工に加え、架け替える神社橋と金比羅橋、改築する黒岩堰と合の堀堰、これら2カ所の堰の樋門3カ所について設計を進めてきた。神社橋は工区の中間部に位置する。
神社橋は市道9074号線が小薮川を渡河する神社参道の橋梁。現橋は橋長6・5m、幅員4・25mのRC橋で、老朽化している。
改修は現況河川幅を基本に掘り込み方式で河積を拡大。事業区間内の向田橋と西山橋は護岸の整備についても影響はなく、架け替える計画はないとした。計画断面は天端15・4mを標準とし、両岸に幅員3mの監査路を確保する。
詳細設計のうち護岸工は1・7㎞を南北にほぼ等分し、南側900mが栃木県用地補償コンサルタント、北側800mをニッコーが担当。護岸は法面を立てて容量を確保し、河道内にブロック張りで施工して流量の安定化を図る計画。
架け替える神社橋と金比羅橋は蛇行した狭さく部に架設され、2橋の現況の橋長は6・5m程度。河川法線を是正し架け替えを実施する。金比羅橋の詳細設計はピーシーレールウェイコンサルタントが担当。
改築する黒岩堰と合の堀堰は、固定堰を自動転倒堰に変更する予定。地元の管理団体などと協議して仕様を決める。黒岩堰が富士コンサルタンツ、合の堀堰は富貴沢建設コンサルタンツが担当。改築に伴う地質調査は、黒岩堰がパスキン工業、合の堀堰は日本測地が担当している。
また、黒岩堰から用水路に取水する樋門の詳細設計は大日本コンサルタント。合の堀堰は左右岸から取水しており、左岸側樋門をシー・アイ・エス、右岸側はピーシーレールウェイコンサルタントが担当している。
県公共事業評価委員会の資料によると、計画の主要工種は築堤が延べ4000立方m、掘削が延べ8万8000立方m、護岸工は3万4000立方mを実施。
構造物は下流側1・8㎞の2橋2堰のほか、上流側で塩山2号堰と塩山1号堰を改築する。総事業費は29億2000万円で、内訳は工事費26億円、用地補償費2000万円、測量設計費が3億円を試算した。