つくば市は吾妻四地区(吾妻二丁目公務員宿舎跡地)の有効活用に向け、都市計画決定の変更に取り掛かる。変更案では基本的な土地利用として、イノベーション拠点とスマート街区の2方針案を掲げている。また、建築物の用途制限を変更し、ホテルや病院などの建設も可能とする。今後は11月に公聴会を開催し、2023年2月に案に対する意見書を募集。同年4月中の都市計画決定を目標とする。23年度以降は関東財務局が主導となり同地区利活用に関する公募を行い、再開発着手を目指す計画。
対象地は吾妻二丁目の5万6762・82㎡で、つくばエクスプレスつくば駅の西側に位置する。うち国有地の5万3854・11㎡には旧公務員宿舎の建物が残っている。なお残る2908・71㎡は市有地で、現況は更地。公務員宿舎の処分にあたっては、良好なまちづくりを誘導するため、地区計画を決定した上で売却することとしている。
土地利用方針に関しては、イノベーション拠点とスマート街区の2地区を挙げる。イノベーション拠点には、研究機関やスタートアップ・ベンチャー企業などを誘導し、最先端の科学技術が交流する業務施設ゾーンの形成を図る。建築物の敷地面積最低限度は500㎡とする。
スマート街区には、街並みに配慮した、地域住民の生活を支援する生活利便施設や中高層住宅を誘導。最先端技術を街区単位で実現できる社会実装の場となるような緑豊かな市街地を形成する。建築物の敷地面積最低限度は200㎡、建物最高高さは45mに制限。
基本的な同街区の在り方については、21年度に国と市が実施した土地利用に関するサウンディング調査で得た3つの方針▽駅に近接した立地を生かした中心市街地にふさわしい都市機能の導入▽緑豊かな都市環境の保全と周辺環境の配慮▽街区全体でイノベーションを生み出す新たな拠点の形成―を盛り込んだ。
都市計画では第一種中高層居住専用地域から第二種居住地域に、文教地区については第一種(549ha)から第三種(255ha)とする。変更により、事務所や病院、ホテル、旅館、工場(作業場床面積が50㎡以下)の建築が可能となる。店舗等についても、現況の150㎡以下から1万㎡以下と範囲を広げる。
立地に関しては、TXつくば駅A1出口西側約200mに位置。駅に近接した大街区であることを生かし、市の玄関口にふさわしい、住宅だけでない複合的な都市機能の誘導を図る。