県下水環境課が策定を進めている汚水処理計画について、汚水処理施設の広域化・共同化計画を新たに位置づける。人口減少などの社会情勢の変化を踏まえたもので、新計画では、2023年度から32年度までの10年間で推進し、汚水処理施設の整備を約9割完成させるとしている。
現計画では、汚水処理人口普及率を27年度までに91・7%に達する事を目標としているものの、21年度末時点での実績は83・1%となっており、想定した普及率に対して遅れが生じている状態。要因として事業費や工事費の増額のほか、新設住宅着工件数の減少や過疎化・高齢化の進行といった社会情勢の変化があるとしている。
新たな計画見直しでは◇下水道などと合併浄化槽のベストミックスのさらなる推進◇広域化・共同化による市町村維持管理費の負担軽減◇浄化槽処理促進区域の指定推進――の3点が主な変更点となる。
ベストミックスのさらなる推進については、下水道や農業集落排水整備で非効率的となった区域に対して、合併処理浄化槽による整備へと変更することにより、普及率を効率的かつ効果的に向上させる。
広域化・共同化では、市町村が管理する農業集落排水やコミュニティプラントなどの汚水処理施設を県が管理する流域下水道などへ接続することにより、市町村の処理施設維持管理費の軽減を図るとしている。
県汚水処理計画は下水道をはじめ、農業集落排水や合併処理浄化槽などの汚水処理施設を効率的に配置し、整備するために策定するもの。計画には汚水処理普及率や整備面積などを記載している。前回、計画変更を行った17年度から5カ年が経過するにあたり、人口減少などの社会情勢の変化を踏まえて現行の計画を見直すことで、より最適な配置計画とするとともに、新たに汚水処理施設の広域化・共同化計画を一部として位置付ける方針。