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千葉県勝浦市

高規格道路延伸を/まちづくりの「機運」高め/照川由美子勝浦市長就任インタビュー

2022/10/12 日刊建設タイムズ

 8月28日の勝浦市長選挙で初当選を果たした照川由美子氏は「地域高規格道路『茂原・一宮・大原道路』建設促進期成同盟会、地域高規格道路『鴨川・大原道路』早期建設促進期成同盟会および地域高規格道路『館山・鴨川道路』整備促進期成同盟会の外房地域が一体となって延伸を強く要望していきたい」との考えを語った。また、若年層や移住者を中心とした市民の意見を積極的に聴取し、まちづくりの「機運」を高め、ICT教育環境の整備や崖地・港湾の安全対策などを推進する。


 ――市への思いや印象は。


 照川 土屋元・前市長が任期中に逝去し、市政に危機感を抱いている市民も少なくない。若年層を中心に市政へのメッセージをいただくことも多く、変革を求める声とともに、まちづくりの「気運」が高まっていると感じる。そこで、冬暖かく、夏涼しい恵まれた気候や地盤の強さなど豊富な魅力をPRしていくとともに、快適で住みよい街だと実感できるような施策として、「子どもの未来を拓く」「住みよさを実感できる」「豊かな自然を生かす」を基本方針として掲げた。


 ――首都圏中央連絡自動車道などからのアクセス道路整備となる地域高規格道路について。


 照川 「茂原・一宮・大原道路」では、茂原一宮道路(長生グリーンライン)の整備が進んでいる。今後、地域高規格道路「鴨川・大原道路」早期建設促進期成同盟会も一体となった新しい期成同盟会の発足を目指し、外房地域の道路づくりとして要望活動を行っていく予定。


 ――かつうら放課後ルーム、勝浦漁港の荷さばき場、スキューバダイビング施設の整備については。


 照川 かつうら放課後ルームについては、2024年3月末の完成を目指して整備を進めている。勝浦漁港の荷さばき場は、23年度の完成予定となっている。鵜原漁港区域内に計画しているスキューバダイビング施設に関しては、計画と検討をこれから進めていきたい。


崖地や港湾の/安全対策注力


 ――そのほか、今後、力を入れていきたい主要事業は。


 公約の中でも、「住みよさを実感できる」ために、暮らしの安心と安全の確保に力を入れていきたい。19年9月の房総半島台風では、崖地や港湾で土砂崩れなどの被害が発生し、復旧が難航した。今後、災害等での被害を最小限に抑えられるよう、安全対策などに力を入れていく。また、学校にICT教育を普及させるべく、環境整備に取り組む。


 ――地域の建設業への期待は。


 照川 市民の7割が海沿い、3割が山沿いで暮らす中、発災時の防災対策や被災箇所の復旧時にも多大なる力添えをいただいている。房総半島台風の被災時には、建設業の力添えがなければ復旧は不可能だった。今後とも、市政へ協力してほしい。


てるかわ・ゆみこ

 1952年8月23日生まれ。73年、千葉敬愛短期大学卒業。同年、県立小学校教諭に就任。2010年、いすみ市立古沢小学校校長に就任。12年には夷隅地方教育研究所所長を務めた。15年、勝浦市議会議員選挙で初当選。22年、勝浦市長選挙で初当選。趣味はチョウの生態研究。小学生に環境保全の大切さを伝えてきた。座右の銘は「迷ったら困難な道を選べ」。

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