県は、建設工事や建設工事に係る委託を含む全ての契約手続きに『電子契約』を導入する。工事および工事に係る委託の実施は11月1日に契約する案件から。
電子契約は、紙と印鑑を使用する契約業務を電子化し、電子契約サービス上で電子ファイルに電子署名することにより契約を締結する方法。企業側は収入印紙代をはじめ、郵送費、紙代、印刷代といったコストが削減でき、また契約業務のやり取りに要する時間を短縮できるメリットもある。
当初は工事と工事に係る委託のみ先行して導入予定だったが、それ以外の契約についても同時期の導入を決定。随意契約も対象とする。ただし、工事関係以外の案件は11月1日に「公告」する案件から適用する。導入する電子契約サービスは、弁護士ドットコムが提供する「クラウドサイン」。
また、工事と工事に係る委託の保証証書を電子化する「電子保証」も11月1日から運用開始する。従来、紙の原本で発注者に提出していた「契約保証」「前金払保証」「中間前金払保証」の保証証書について、インターネットを介して提出できるようにする。電子契約、電子保証とも、導入後も従来方式の利用は可能。
■中野市と高森町は導入済み
ちなみに県内では中野市と高森町が、いずれも今年4月から全ての契約を対象に運用を開始。電子契約による契約件数は中野市が251件(9月末時点)、高森町が127件(10月12日現在)。県や市町村などで構成する長野県先端技術活用推進協議会では、自治体DX推進ワーキンググループにおいて電子契約を導入しやすい環境をつくるべく情報共有等を図っており、今後導入する自治体は増えていくとみられる。なお、長野市は2023年度中の導入を目指し検討中。松本市も検討を始めているが導入時期は未定。
■説明会を今月中に3回開催
県は電子契約・電子保証の事業者向け説明会を10月中に3回開催する。このうち1回はZoomを使用したオンラインで実施し、この様子は後日県ホームページで公開する。参加希望者は「ながの電子申請サービス」から申し込むこと。
説明会の日程は次の通り。
◆長野会場=10月20日(木)午後2時30分~3時10分、長野県自治会館(長野市)、定員50人
◆松本会場=10月21日(金)午後2時~2時40分、県松本合同庁舎(松本市)、定員40人
◆オンライン説明会=10月24日(月)午前10時~10時40分、定員1000人