県は、足利市と佐野市の境界付近を流れる1級河川旗川の用地取得を進め、上流側2・2㎞区間の2023年度着工を目指すほか、下流側1・4㎞は河道計画をまとめ、足利市道下寺岡橋の架け替えを検討。今年度には河川の路線測量を発注する見通し。県安足土木事務所によると、事業区間上流端の稲岡橋は現在地に架け替えを決め、左岸側約10mを引き堤。橋長61・9m、幅員5・5mで上部形式にPC2径間連続中空床版桁。下部工は場所打ち杭逆T式橋台2基、場所打ち杭橋脚1基で詳細設計に移行。橋梁詳細設計はオリエンタル技術開発が担当。
旗川は直轄区間からJR両毛線まで1・4㎞の河道計画に着手。直轄区間2・2㎞の改修事業が始まり、計画流量毎秒700立方mに対応した整備内容を固めていく。区間内の構造物のうち橋梁は、主要地方道桐生岩舟線白旗橋は改修断面で架け替え済み。
白旗橋下流の足利市道下寺岡橋は架け替えを検討。下寺岡橋は幅員が3mと狭あいなため、河道計画の成果を踏まえ、改修に併せて架け替えの必要性などを市と協議していく。河道計画は八千代エンジニヤリングが担当。
上流端で架け替える稲岡橋は当初、現橋の下流側で架け替えを検討していた。現橋の両側には家屋が近接し用地取得を困難視。道路ネットワークを維持するため現在地での架け替えを決めたとしている。
県は旗川の全体計画4・2㎞のうち、東日本台風で氾濫被害の深刻だったJR両毛線から稲岡橋まで2・2㎞区間を先行。用地補償を進め、河積を確保する河道掘削や立竹木の除去、堤防が低い箇所の嵩上げなど暫定改修を実施。河道拡幅に伴い稲岡橋の架け替えを決めた。
旗川は13年10月、県計画の渡良瀬川河川整備計画を変更。直轄区間の上流端から一般県道赤見本町線旗川橋まで4・2㎞を施行区間に位置づけた。
国が17年度にまとめた利根川水系渡良瀬川河川整備計画によると、渡良瀬川合流部における旗川は毎秒700立方mに対応した整備を進めていくとし、現状では300立方mにとどまっている。
県管理区間の旗川は150立方mで、暫定計画として300立方mの流下能力を確保する整備を立案した。毎秒300立方mに対応した整備では、現況の河川幅を2倍に拡大。河川内に繁茂する立ち木を伐採して流下能力の向上を図る。
一部堤防の低い箇所があり、嵩上げを行い越水による被害防止を図るとした。稲岡橋は将来計画の河川幅で架け替える。新橋架設に併せ、現橋の上下部工を解体し撤去。架設工事中は通行止めを行い、迂回路を誘導する。
将来の毎秒700立方mに対応した計画では、河川幅をさらに拡大。河床を掘り下げて流下能力の一層の向上を図る。用地は将来計画に必要な河川幅で買収し、架け替える稲岡橋も700立方mを前提として設計に反映させる。