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新潟県新潟市

入札監視委員会開催/予定価格の事後公表試行へ/低価格調査制度導入提言も

2005/12/20 新潟建設新聞

 新潟市入札監視委員会(委員長・沢田克己新潟大学法学部教授)は16日、今年度第3回目の会合を開催。今年度第2四半期に発注された工事の中から11件を抽出、審議したほか、市が進める入札・契約制度改革について協議した。注目は、予定価格の事後公表の試行で、事務局サイドが来年1月より1千万円以上の入札案件の3割で試行する見通しを説明。委員からは慎重に進めるべきとする意見も出たが、委員会としては事後公表と併せて最低制限価格を廃止し、低価格調査制度の導入を試行するべきとする提言を行う方向で、次回以降協議する見通しとなった。

 新潟市では約2年前から予定価格を事前公表しているが、今回、事務局サイドが、来年1月より1千万円以上の指名及び一般競争入札のうち、3割程度で事後公表を試行し、3か月毎に検証した上で問題がなければ段階的に拡大していく方針を説明。これは、公正取引委員会からの助言に加えて、最近の入札では特に土木工事について競争が激化し、最低制限価格前後での「叩き合い」が生じる中で無効入札が増える傾向があり、今の状況が長引くと中小の業者に影響が出ることを懸念したもの。事後公表の実施にあたっては、秘密漏洩がないよう情報管理を徹底するなど慎重に対応するとした。

 委員会からは、予定価格を事前公表するのであれば、情報管理を徹底した上で、かつ最低制限価格を撤廃し、低価格調査制度を導入するべきであるとの意見が出た。これは、低価格調査制度の導入が昨年末に提出した提言にも盛り込まれたものであることから、委員会として早期に導入するよう再度提言する意向を示した。しかし、事務局は次回までに市の考え方を示した上で再度の審議を要請し、委員会もこれを了承した。

 また、今回、市が下水道工事の発注に係る運用指針を一部変更したことを明らかにした。これはφ800mm未満の小口径推進工法で、概算の設計額が1億円未満の工事について、総件数の半分程度で入札参加業者を市内業者に限定するもの。市では合併により施工可能な業者が増えたことから、市内業者でも対応できると判断。今後、地元育成の観点から、競争性を担保できるようであれば当面試行する方針であることを説明、委員会から特に異論はなかった。



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