国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協、事務局・建設業振興基金)は、「建設人材育成優良企業表彰」の初の受賞者を決定した。建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用をはじめとして、技能や経験に応じた給与の引き上げ、キャリアパスに基づいた計画的な人材育成とそれを可能にする環境整備など、建設産業の担い手確保・育成に向けて顕著な功績を挙げている企業等を表彰する制度として創設。応募数延べ206者の中から、国土交通大臣賞は▽草野作工(北海道)▽鹿島/鹿島事業協同組合連合会(東京都)▽旭建設(宮崎県)の3件に決まった。11月11日に表彰式を行う。
また、不動産・建設経済局長賞は▽ドーピー建設工業(東京都)▽加賀建設(石川県)▽フクザワコーポレーション(長野県)▽スエヒロ工業(静岡県)―の4社に決まった。優秀賞は▽砂子組(北海道)▽北土建設(北海道)▽清水組(秋田県)▽成友興業(東京都)▽NIPPO(東京都)▽福田組(新潟県)▽山下組(三重県)▽桑原組(滋賀県)▽KMユナイテッド(京都府)▽技工団(山口県)▽濱﨑組(愛媛県)▽尾園建設(福岡県)▽森建設(鹿児島県)―の13社が受賞している。今後、各地方整備局等で表彰する予定。
国土交通大臣賞では、CCUSを活用して技能者の賃金・処遇改善につなげている点や、働き方改革、人材育成への取り組みが高く評価された。草野作工は、ニュー6K(給料、休暇、危険回避、絆、きれい、カッコ良い)をスローガンに掲げた職場環境改善を多角的に実施。完全週休2日制や建設DXを導入した生産性向上などを実践し、北海道働き方改革推進企業シルバーにも認定された。CCUSも全ての現場で導入している。
鹿島/鹿島事業協同組合連合会は、現場見学会や体験型行事のほか、協力会社に対して社内外の施設を活用した教育訓練を実施。重層下請構造改革として原則2次下請けまでに限定するなど先駆的な取り組みも行った。さらに関連企業を含め、CCUS能力評価や建退共共済掛金への補助を通じて処遇改善に積極的に取り組み、職長手当制度(日2000円~4000円)にCCUS登録を要件化。4週8閉所による現場環境改善、退職自衛官の採用など多角的で幅広い人材確保育成の取り組みも展開した。
旭建設は、残業禁止や完全週休2日制のほか、時間休、テレワークなど多様な働き方を導入。快適トイレによる現場環境整備、育休等の休暇制度による女性活躍にも積極的に取り組み、新・ダイバーシティ経営企業100選にも選ばれている。CCUSではレベルによる給与引き上げを導入(月500円~2万円)し、全現場カードリーダー設置や協力会社へのCCUS登録費用補助などに取り組んでいる。