新潟市秋葉区の秋葉公園内で、新津工業高校日本建築科の生徒が製作した東屋が完成した。10月26日には、生徒や学校関係者、同区選出の市議会議員などが出席して完成式典が執り行われ、テープカットで完成を祝ったほか、長崎忍秋葉区長から生徒に感謝状が贈られた。
東屋は、幅約5・5m×奥行き約7・3m×高さ約4m。寺社等の鐘楼(しょうろう)で用いられる柱に傾きを設けた「転び」など、伝統工法の技術を随所に活用して製作。蒲原平野や五頭山を臨む五峯閣展望台のある広場に設置され、ベンチとテーブルもつくった。
同校が日本建築家協会(JIA)北関東甲信越学生設計コンクール2021の銀賞受賞作品を区役所玄関に展示したことをきっかけに、秋葉区が秋葉公園の利便性向上、地域の人材育成のため製作を依頼。日ごろから同校で指導している山崎建築(新潟市江南区)のサポートのもと、日本建築科の生徒が製作を進めていた。
生徒を代表して感謝状を受け取った本間航さんは、「現場での作業は初めての経験で大変だったが、五頭山を一望できる東屋が立ち上がった時には爽快感があった。ベンチは裁断した丸太をかんなで仕上げ、テーブルは、大人から子どもまで利用できるようにした。多くの人の憩いの場となればよい」と語る。指導に当たった山崎氏は、「日本古来の建築技法を使って製作した。工法、技術を守っていくことで、この先何十年、何百年と持つ建物ができる」とする。
【写真=完成した東屋と記念撮影】