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魚沼市水の郷工業団地にブルボン雪室併設工場が竣工

2022/11/10 新潟建設新聞

 菓子製造大手のブルボン(吉田康代表取締役社長、柏崎市駅前)が魚沼市水の郷工業団地(魚沼市十日町八色原)で新設を進めてきたブルボン魚沼工場が完成した。第一期工場棟、原料保管庫、雪室棟の竣工を祝い、1日、関係者ら30人が出席して内見式典が挙行された。

 新工場は2021年7月1日に着工。S造2階建て、延べ床面積9014・50㎡(第一期工場棟分)、建築面積4993・36㎡で、雪国の特性を生かした雪室の併設が最大の特徴。雪室棟は床面積85㎡、容積595立方m、高さ7mで、最大450トンの貯蔵が可能。隣接する保管庫に雪冷熱を送風し、カカオ豆の品質保持、渋みや苦みの軽減、食味や風味の向上を図り、付加価値を備えたチョコレート製品などの事業展開を目指す。

 ブルボンは16年3月に同所への進出を決定し、県内10工場目の建設用地としてテーブルマーク、魚沼醸造などが立地する同団地内のフードタウンに5万9591・38㎡の敷地を取得。植木組の設計、施工で整備を進めてきた。

 あいさつに立った吉田社長は「98年前、関東大震災の翌年に地方への菓子供給のために創業した。以来、国際的な戦力商品を作ろうと失敗を重ねながらやってきた」と沿革に触れ「雪国でチョコレート製品は無理と言われたが、伊藤親臣先生(雪だるま財団)から雪室での低温保存、エネルギー効率が良いことなどを知り、建設した。首都圏への物流拠点としても利用していきたい」と抱負を語った。

 内田幹夫市長は「雪資源を活用しての製品づくりは同業他社には無いこと。トップランナーとして期待したい」と祝辞を述べ、施工者として感謝状の贈呈を受けた植木組の植木義明代表取締役社長は「思いを形にでき、建設産業として大変うれしい。ここでの製品が世界に出荷されることを願う」と謝辞を述べた。 

 式典後に感想を述べた吉田社長は第3期計画について「ほかの候補地もあり、どちらが先になるかは分からない。状況を見ながら判断したい」と視野に入れていることを示した。

【写真=吉田社長、2月に雪を入れた雪室、謝辞を述べる植木社長】

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