政府は15日、建設業法施行令を一部改正する政令を閣議決定した。建設業における中長期的な担い手の確保・育成を図るため、監理技術者等の専任を要する請負代金額や、技術検定制度の見直しを行うもので、金額要件見直しの関係は2023年1月1日、技術検定の関係は24年4月1日から施行する。
近年の工事費の上昇を踏まえた金額要件の引き上げでは、特定建設業の許可、監理技術者の配置、施工体制台帳の作成が必要な下請代金額の下限について現行の4000万円(建築一式工事の場合は6000万円)を4500万円(同7000万円)に変更する。主任技術者および監理技術者の専任が必要な請負代金額の下限は、現行の3500万円(同7000万円)を4000万円(同8000万円)に引き上げる。併せて、下請負人の主任技術者の配置を不要とすることができる特定専門工事の下請代金額の上限も、現行の3500万円を4000万円に変更する。
技術検定の受験資格は、国土交通省令で定めることとし、今後、省令改正により現行の受験資格を見直す。受験資格の変更に伴い、大学、高等専門学校、高等学校または中等教育学校において国土交通大臣が定める学科を修めて卒業した者等については、第一次検定の一部を免除することができるようにする。
見直しの方向性によると、受験資格は1級の第一次検定は19歳以上、2級の第一次検定は17歳以上とし、第二次検定では1級は1級技士補として一定規模以上の工事の実務経験3年、2級は2級技士補としての実務経験3年などを受験資格とする見通しとなっている。