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22年プレイバック(中毛)

2022/12/23 群馬建設新聞

ことしも残すところあとわずかとなった。ことし1年を振り返ると、新型コロナの影響をはじめ、ウクライナ情勢や円安など不安なニュースが多い年となった。建設業においては、未曽有の資材不足・高騰に見舞われ、現在も続いている。群馬県に目を向けると、県土整備部がインフラ分野のDX推進として、CIM事業の試行や、建設現場のWeb監督(遠隔臨場)の全面適用など、新しい領域への挑戦が行われた。市町村では、PPP/PFIなど官民連携の形を模索する動きが活発化した。そんな1年の動きを中毛、西毛、東毛、北毛、県の順に5回にわたって振り返る。

【前橋市】

市制130周年の節目の年を迎える前橋市は、CCRC事業で夜間急病診療所と福祉作業所の建設に着手。日赤病院跡地の活用に向けて両施設の建設が続く。

また、かねてから建設を進めてきた新議会棟が完成。12月議会から新たな議場で、市政の歴史を刻み始めた。

新たな産業基盤の整備に向けては、当初予算で30億5787万5000万円を確保し、西善中内産業団地や駒寄SIC産業団地を推進した。西善中内はすでに進出企業が決まり、操業開始に向けた現地工場の整備を待つ。駒寄SICは区画道路や調整池に関する詳細設計に着手した。

老朽化により建て替えが検討されている広瀬団地や、水質浄化センターの更新事業で、PPP/PFI導入可能性調査を実施。官民の連携により、効率的な事業運営の在り方を探る。

教育施設の部門では、西部共同調理場の大規模改造工事2期を実施。また、23年度の施工に向けて、桃木小と二之宮小で長寿命化改修の設計に取り組んでいる。

公共事業の推進とは別の角度で前橋市は忙しい1年だった。年明け早々から市職員が官製談合事件により逮捕されたことへの対応に追われた。結果として一般競争入札を拡大することを決定。4月から新しい入札方法で公共事業の発注が行われている。11月には同事件の原因究明調査委員会で委員長を務めた元副市長が同じく官製談合防止法違反などの罪で逮捕された。副市長が関与した事件は20年度の案件ということで、入札制度改正など対応後に発覚した形だ。一連の事件により、公共事業・建設業へ目が厳しくなることは避けられない。官民の垣根を越えて、公平性を高めていくことを期待したい。


【伊勢崎市】

伊勢崎市は華蔵寺公園を盛り上げようと「華蔵寺公園共生『はな咲く。』プロジェクト」に着手。24年度までの3カ年で、市民プールの解体や水生植物園の再整備、カフェ等の設置などを進める。初年度は水生植物園の設計と市民プールの解体設計に取り組んだ。

新保健センター・子育て世代包括支援センターは実施設計に取り組んでいる。現地には23年7月の着工を知らせる看板が設置されるなど、発注の機運が高まってきた。

また、中心市街地のにぎわい創出を目的に、伊勢崎織物協同組合が所有する曲輪町地内の土地で新たな拠点整備を行う。整備に向けてサウンディング調査を実施した。

境消防署は新庁舎の建設に着手。23年度からの供用開始を目指して、建設工事が進む。


【玉村町】

玉村町は県と共同して高崎玉村スマートIC北地区の工業団地造成事業に着手した。また同IC周辺では公園整備を計画。PFIなどの検討業務が進む。浄水場更新事業でも民間活力の導入が期待されており、年明けに検討業務の競争入札を行う見通し。

消防団再編に伴う詰所整備が進めれれている。22年度は上陽分団、年明け早々には南分団詰所の用地整備工事が発注予定。23年度予算で詰所建設の工事費を確保し、同年度中の完成を目指す。

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