長野市は長野運動公園総合体育館整備外事業(吉田5丁目)の設計・施工者選定に係る公募型プロポーザルの手続きを、あす12日に開始する。事業手法は設計・施工一体型(DB方式)を採用。昨年8月に策定した基本計画では概算事業費に88億円を見込む。優先交渉権者を決めるプレゼンテーションとヒアリングは7月下旬に行う。
12日にはプロポーザルを実施する上で必要となる参加資格、提案を求める項目、スケジュールなどを定めた実施要領を市ホームページで公示する。事業手法は設計・施工一体型(DB方式)を採用。公園内にある総合市民プール「アクアウィング」の長寿命化改修も併せて施工することで、事業期間の短縮とコスト縮減を図る。
現在の総合体育館は1978年に建設。RC造3階建て、延べ6526㎡の主体育館と、S・RC造2階建て、延べ2135㎡の補助体育館で構成する。施設の老朽化や機能不足といった課題を抱えており、2028年に開催予定の国民スポーツ大会への対応に併せて現地で建て替えることを決めた。
基本計画によると、新体育館は既存体育館の東側、アクアウィングとの間の敷地にメインアリーナとサブアリーナ一体型で建設。完成後、既存体育館は解体し、跡地は駐車場にする。新体育館の規模は2階建て、延べ1万1400㎡を想定。1階にメインアリーナ、柔道・剣道場、多目的室など、2階はサブアリーナのほか、現在ホワイトリングのサブアリーナに常設している体操練習場を移設する。メーンアリーナの固定席数は現在と同規模の1200程度とし、プロスポーツチームの試合やスポーツイベントの開催にも対応できるよう壁面に可動席を設け、2000席程度の座席数を確保できるよう検討する。概算事業費は建設費65億円(㎡当たり57万400円)、その他(設計・解体費等)23億円の計88億円(税込)を見込む。
また、総合体育館に隣接するアクアウィングは、同時期に長寿命化改修を予定していたため、一体的な整備を検討。工事エリアの共有化により、効率的な工事を行うことが可能となり、工期が短縮され、工事費の削減も期待できることから、一括施工で行うことを決めた。さらに、2つの施設は空調などの設備を共有化し、工事費や維持管理費の削減につなげる。
今後のスケジュールは、7月下旬に事業者を決定した後、24年度半ばにかけて設計を策定。総合体育館建設とアクアウイング改修の工事期間は24年度半ばから26年度末までを予定している。既存体育館の解体や駐車場・外構工事は27年度に行う。
なお、事業者選定のため昨年10月に設置された選定委員会の委員は次の通り。◇松山大貴(市副市長、委員長)◇高村秀紀(信州大学工学部建築学科教授)◇酒井美月(長野工業高等専門学校環境都市工学科教授)◇藤澤令子(県スポーツ協会理事)◇堀江三定(市スポーツ協会理事長)◇正村寿満子(市障害者スポーツ協会副会長)◇池田彰(市総務部長)◇横田典久(市建設部長)◇北澤善幸(市都市整備部長)◇小林祐二(市文化スポーツ振興部長)