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柏崎ブルー水素、アンモニア製造利用一貫実証試験設備は日揮、第一実業が受注

2023/01/12 新潟建設新聞

 INPEX(上田隆之代表取締役社長、東京都港区)が、柏崎市平井地区で計画するブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験の地上設備は、日揮、第一実業がそれぞれ受注した。柏崎市内に保有する東柏崎ガス田平井地区に新たな施設を建設し、ブルー水素・アンモニア製造から発電利用まで一貫の実証試験を行う。新たに坑井掘削および地上設備として建築物8棟(延べ面積1933・11㎡、生産施設面積4183・39㎡)の整備を計画。完成は2025年8月を予定する。

 国産の天然ガスを用いたブルー水素・アンモニアの製造および国内枯渇ガス田でのCCUS実現の実施、発電等による利用までを一貫して実証する日本初の試み。

 日揮は、実証試験に係る設備のうち、アンモニア製造設備以外の天然ガス前処理設備、水素製造設備、CO2分離回収・圧入設備、アンモニア貯蔵・出荷設備、発電設備、ユーティリティー設備、および平井採収所エリアの坑井(観測井、生産井、CO2圧入井)への接続設備の設計、資材調達、建設工事(EPC)、試運転を担当。CO2分離回収設備には、日揮グローバルとドイツの総合化学メーカーBASF社が保有する高圧再生型CO2回収技術を使用する。水素製造設備には、エア・リキード社の水素製造技術が使われる。

 第一実業はアンモニア製造における機器供給や施工設計、工程管理等、独自のエンジニアリング機能を生かしたプラント建設全体の取りまとめを担当する。21年6月に資本業務協定を締結した、つばめBHB(東京都)の技術を採用。アンモニアプラント建設全体の取りまとめお第一実業が担い、つばめBHBは、プラント内のアンモニア合成設備の詳細設計および機器供給を行う。22年度下期から詳細設計、機器調達を開始し、2025年度中にアンモニア生産を開始する予定。

 実証実験により年間約700トンの水素を製造。製造された水素の一部はアンモニア製造に使用し、残りを水素発電に利用する。原料は県内の南長岡ガス田で製造する天然ガスを使い、輸送には既存パイプラインを活用する。また水素およびアンモニア製造の際に副次的に発生するCO2を東柏崎ガス田平井地区の貯蔵層へ圧入。地下圧入開始後は、安全や環境に配慮し、適切な二酸化炭素圧入総合の監視とモニタリングを実施する計画。

 なおエリア敷地1万9167・11㎡の造成工事は植木組が進めている。

【実証試験施設の完成予想図】

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